ミステリという勿れ

映画版を見てきた。
漫画をずっと読んでいたので内容は知っていたけれど、ミステリものとして楽しめた。
まさに犬神家のような、おどろおどろしい日本家屋、蔵、血なまぐさい謎の数々。
キャスティングがまた良い。
出番の少ないキャラクターでも誰もが知っている俳優さんたちを配置しているので原作未読の人達にも謎解きが楽しめたのではないだろうか。
個人的に松坂慶子さんめちゃくちゃ良かった。めちゃくちゃ怪しい感じがいい。
いとこ四人のバランスも良かった。特にしおじちゃん役の子はめちゃくちゃうまいなと思いました。
あとお父さん。回想でしか出てこないけど滝藤賢一さんの優しくて、娘ちゃんからの視点、というのもあるのでしょうけど、本当に優しくていい人なのが伝わってくる。大好きだったお父さん。すごくよかった。

まあ犯人は知っていたし別に驚きもなかったのですが、わたしは松下洸平氏のファンなので(わりと古参だと自負している)
彼のあの切なさみたいなのは凄くうまいなと思った。
彼の中では正義で、悪い事だと思っていない。それはこどもの頃からそういう「代々背負ってきた使命」というものを教え込まれてしまったから、彼もまた被害者なのであるなあ、と、こちら側が切なくなる。
そんな危うさがヒシヒシと伝わってくる。そこがまたサイコパスとは少し違うのかなーとも思った。

広大なロケ地と、演技派の俳優さんの布陣、退屈しない約二時間を過ごすことが出来た。
面白い映画は人生を潤わせてくれる。

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