制作日記2024年6月


こんにちは、ササン三です。書き出しのキラーフレーズを考えるのに1日を要しましたが、もっとローコストに書ける日記を目指したいので普通に挨拶してみました。ごきげんよう。どうも。

普段はイラストを描いたり漫画を描いたり、VODKAdemo?というチームでMINDHACKなるゲームのサブテキストと広報を担当しています。サブテキストって何やねんと思われそうですが、メインシナリオ以外の文章もろもろと考えていただければ差し支えないです。また、最近は個人制作でもゲームをいくつか発表しています。

私には気をつけていたことがあります。それは、ネットでの発言を最小限にすること。Twitterでも基本的には作品の投稿以外、余計なことを書かないようにしてきました。それはなぜか。カッコいいからです

多くを語らない人って、なんかミステリアスですごそうですよね。他人から只者ではないと思われたい気持ち、誰しもあると思います。私の場合それが人並み、よりもほんの少し強いのです。「クリエイターって、コメントより作品で語るものだからさ……」とうそぶきながら、SNSでの私はすこぶる愛想が悪い。すみません本当に。

ところが最近、心境の変化がありました。ネット上で、いろいろなインディーゲーム開発者の方の開発日記を読むようになったのです。いずれの方々も、制作のうえでの悩みや苦しみ、葛藤そして喜びを詳細に記してくださっています。そんなテキストを読むのは本当に面白いし、その人の作品を味わううえで少しもマイナスにならない。そして何より、カッコいい! 自分の表現で作品の背景を言葉にできる人は、誰しも聡明な人のように感じられます。

そういうわけで「ネットで発言しない人」をやめて、自分も制作日記のようなものをつけてみたいと考えました。まず今回は自己紹介がてら、最近作ったもの・作っているものについて綴っていこうと思います。

おためしデッドストック

今年の5月に公開しました。人類が消えたのち、文明の遺産である機械たちが妖怪「付喪神」として目覚めた世界を描いた短編アドベンチャーです。

この作品の発端は話すと長くなるのですが、私が大学生のころに描いていた未完の漫画があり、そのリバイバルを企図したゲームとなります。といっても『おためしデッドストック』自体は本編ではなく、あくまで将来来るべき長編作品に備えた試作品という位置付けです。結果として、なんとなく世界観は伝わる仕上がりになったかと思います。これは制作予定の長編版にも期待がかかりますね! じ、情熱はあります!

この作品は、私が初めてGameMaker Studio 2というゲーム制作ソフトを覚えるために作った習作でもあります。そのためシステムとしては、「落ちてるものを拾ってNPCに渡す」だけのシンプルな仕組み。なんですが、初心者のくせに立ち絵や台詞バリエーションなどにこだわったせいで4ヶ月もかかりました。初めて作る作品で高望みはしない方がいいと学びました。

第1作ということで至らぬ点も多いですが、運良くTOKYO INDIE GAME SUMMITに出展させていただくなど、幸運な機会に恵まれた作品でもあります。何よりイチオシポイントとして、劇伴は全て、私が尊敬するクリエイターのgespenさんに手がけていただきました。本当に素晴らしい楽曲なので、ぜひ本編でお楽しみください!

なお制作当時の詳しい苦労話はこんな漫画にもなっていますので、よければ。次はもっと付喪神であることを活かしたシステムに挑戦してみたいですね。

FREEZIA

こちらも今年の5月に公開しました。冷凍睡眠を司る人工知能となって、眠る人類の温度を管理するアクションシミュレーションゲームです。

こいつはデッドストックよりも遅く着手したくせに、デッドストックよりも早く公開しています。浮気者! というのも、私が勤めている会社内でゲームジャムが開催され、それに急遽参加することになって制作した背景があります。おかげでゴールデンウィークは寝るときと飯食うとき以外は開発漬けになり、「フリーの個人開発者ってこんな感じなのかな……」という疑似体験をしている感じでした。

実は「青×白のアートワークで人工知能と冷凍睡眠がテーマのゲームを作る」という構想は去年からあって、いつか形にしたいと煩悶していました。思いつかないのはシステムだけ……だったのですが、ある晩、夢にシステムが出てきたので採用となった経緯があります。全体として短い期間で作りたいものがかたちにできたので、気に入っている作品です。生まれて初めて自分で作曲に挑戦した楽曲も、ぜひ聴いてね。

ところでデッドストックもFREEZIAも、キャラクターとしての人工知能が登場します。人工知能の描き方が自分にとっては永久の課題で、前者はキャラクター寄り、後者は無機物寄りに描写した例です。もっと無機質に! でもユーモラスな! 人工知能を描けるようになりたいですが、まだまだ研究中です。

石日記漫画

昨年の暮れから鉱物にハマっています。これについてはまた詳しく書きたいですが、すでにその様子を描いた漫画を何本か公開しています。リアルタイム破滅まんがとしてお楽しみください。

パラチャとベリリゥ

今年の4月から描き始めた創作キャラクターです。このひとたちは何を隠そう、次の……また次の……? ゲームの主人公になる予定のキャラクターなのだ!! この日記は退路を断つために提供されています。

もっとたくさんイラストを描きたいと思っているのですが、本編=ゲームの設定が詰まらないうちに動かすと後で困りそうというジレンマもあり、悩みどころです。特殊な形状の体をしているので、このひとたちならではの暮らしの姿を真剣に考えていきたいと思っています。

シルクスクリーンもやってみたり。

石にお仕えしたい人たち

先述の鉱物趣味が高じて、というか転じて、転げ落ちて描いている漫画です。鉱物をモチーフにしたキャラクターたちの日常漫画です。「擬人化」と言わないのは、そもそも人間型じゃないから……というのと、自分が描いたに過ぎないキャラクターを「鉱物そのもの」と名乗らせてしまうのはおこがましい気がするからです。とはいえ、それを回避するために「鉱物を信仰する人間たち(ただし人間の見た目ではない)(ただし鉱物の性質を受け継ぐ)」というややこしい設定になってしまいました。いっそ「超鉱物生命体です!!!」と言い切ってもいいかもしれないですね。とにかく鉱物に対して、そしてその鉱物が好きな方に対して失礼がないように、誠実であれるように、謙虚に勉強しながら描くことを心がけたいです。頑張ります!

トルマリン(エルバイト)モチーフのキャラクターが寸胴なのは私の趣味です。シュッとしたトルマリンもあるのですが、自分はごんぶとな柱状結晶が好きなもので…….

今作ってるビジュアルノベル

これを言うためにnoteを書いたと言っても過言ではない。

作っております。ビジュアルノベルを! 作っております! 何なら今日挙げた作品の中で2番目に早く手を付けていたのですが、未だ日の目を見ていません。なぜか。大切すぎるからだ! とにかく悩んで悩みまくって、なんとか形にしようとしています。その苦労話についてぜひ存分に語り……たいのですが、紙幅が尽きた(と言ってみたかった)ので次回に回します。

これはめちゃくちゃ試作版(何一つ本編ではない)

ここまで長文を書いてみても、いまだに自分の考えを堂々とネット上に公開することに若干の恐れがあります。言いたいことも言えない俺に誰がした。しかしながらTwitterを見てる時間を日記に充てれば意外と書き続けられそうな気がするので、週1くらいで活動報告ができればいいですね。それではまた次回!

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