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ココアバターの特性

おはようございます😊Bonjour(ボンジュール)

こんにちは😊Bonjour(ボンジュール)

こんばんは😊Bousoir(ボンソワール)

パティシエのねねとです☺️


チョコレートの油脂となっているココアバターについて、物理的・化学的特性を知っておく必要がある。

⭐︎バターとの相違点

 ココアバターの融点(固体が液体に変化する温度)は約34℃で、バターの31〜33℃とほとんど同じで、体温で溶けるため、口中でさらりと溶けて食感がよい。

 凝固点(液体が冷えて固体になる温度)の方も、天然バターと同じ26℃くらいだが、ココアバターは固まると、バターに比べてかたくなる。
 これは両者の含有するSFI(固体脂肪数)が温度によって異なるためである。

ココアバターとバターのSFI

上図において、26℃のときのSFIを比べてみると、ココアバターは83%も固体脂を含んでいる。

 この固体脂量の相違は、バターとココアバターの脂肪酸組成の違いによるものである。


⭐︎ココアバターの脂肪酸組成

 ココアバターの物理的特性は、脂肪酸の種類とその量、脂肪酸とグリセリンとの結合の仕方によっている。
 ココアバターはステアリン酸、パルミチン酸、オレイン酸、リノール酸から成っている。
 脂肪酸の中でも、炭素数の多いステアリン酸とパルミチン酸で半分以上を占めているため、いろいろな炭素数の脂肪酸から成るバターよりも、かたいことになる。
 また、不飽和脂肪酸のオレイン酸が40%も含まれている。

ココアバターとバターの脂肪酸の相違

 このような性質を持つ脂肪酸が結合して、ココアバターを作っているが、結合の仕方によっても、ココアバターの特性を見ることができる。

 つまり、3個の脂肪酸が、1個のグリセリンと結合して、グリセライドを作っているが、中央の炭素に不飽和のオレイン酸がつき、両端に飽和のステアリン酸、パルミチン酸が結合した形が多く、75〜80%を占めている。

ココアバターのグリセライド組成

 融点の低いオレイン酸が中央に結合すれば、外側につくときよりも、脂肪酸はかたくなる。

 この結合形は、対象グリセライドともいわれ、他の油脂には見られない特性である。
 融点の幅が2〜3℃ときわめてせまく、固型のときはかたいが、溶けはじめるとさっと早く溶ける。

 普通の油脂には、両端に飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸が1つずつ結合するタイプが多く、これらは非対象グリセライドといわれている。


⭐︎ココアバターの結晶型

 ココアバターの結晶型には、γ(ガンマ)、α(アルファ)、β′(ベータ ダッシュ又はプライム)β(ベータ)の4種類があって、融点、安定性、融解潜熱、収縮率がそれぞれに異なっている。

ココアバターの結晶型とその特性

①γ型結晶
 融解したココアバターを16〜18℃に冷却したとき、γ型結晶ができる。
 しかし、きわめて不安定なので1〜2秒すると、すぐにα型に転移してしまう。

②α型結晶
 γ型から転移してできるが、不安定で、1時間後にはβ'型に転移する。

③β'型結晶
 α型から移転してでき、融点は27〜29℃である。
 ココアバターを徐々に25〜26℃まで冷やしてから27〜29℃に暖めると、β'型の結晶ができる。
 このとき攪拌(かくはん)すると、早く結晶化する。

 β'型は比較的安定していて、β型になるには1ヶ月くらいかかる。

ココアバターβ'の球晶


④β型結晶
 β'型から徐々に転移してできる安定した結晶である。
 融点は34〜35℃である。

ココアバターのβの針状結晶


⭐︎融解潜熱と収縮率

 融解または固化するとき、温度計を見ていると温度が一瞬止まることがある。
 溶けるときに熱を吸収し、固まるときに熱を出す。これを潜熱という。
 融点が違うので、結晶型によって潜熱も異なり、α型19cal/g、β'型28cal/g、β型は36cal/gである。

 またココアバターは、結晶化すると収縮する性質をもっている。
 β'型8.3%、β型9.6%と、安定したよい結晶型の方が、収縮率も大きい。
 したがって、チョコレートを型詰めしたとき、うまく結晶化すれば型とチョコレートの間にすき間ができ、取り出すときれいにはがれる。

⭐︎ココアバターの化学的性質

 ココアバターの独特のフレーバーと酸化しにくい性質は、どのような理由によるものであろうか。

①フレーバー
 豆の発酵、焙焼、精練などのココアバター製造工程の間に、以下のような物質が変化して、フレーバーが出現するといわれている。

 高揮発性香気成分、低揮発性で脂肪性の芳香の強い成分、タンニン化合物でフレーバーを一層よくする成分、の3つが考えられる。

 このうち、揮発性成分については、ガスクロマトグラフィーで分析され、安定的にその物質が確認されている。

② 抗酸化性
  ココアバターが製菓上有利なのは、酸化変敗しないことである。
 これは、天然の抗酸化剤が含まれているためである。
 この天然抗酸化剤の含有量が、他の油脂に比べて多い理由は、ココアバターは、脱ガム、脱酸、脱臭、などの処理が行われず、圧搾などによって抽出されるためである。

フランス

「わかりました」をフランス語に翻訳すると、
D′accord(ダッコー)でした😊

 では、「美味しい」をフランス語に翻訳すると…

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C'est bon(セ ボン)です😊

では、また( ^ω^ )

参考文献
竹林   やゑ子『洋菓子材料の調理科学』

参考に学ばせていただいております。
感謝いたします。

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