女性が整形外科医になるって?

整形外科専門医のおしゃちゃんと申します。

初めての病院へ赴任し自己紹介をすると、女医の整形外科医はとても珍しい扱いを受けます。

これまで、そして今も、
整形外科医って運動部の男の人が多いんじゃない?
というイメージがあるのではないかと思います。

実際どうなのでしょうか。日本整形外科学会HPによると、
整形外科医の中で、女医は6.7%。
とても少なく感じられますが、20代の医師は15%程度、30代40代で10%程度となっており、だんだんと増えてきているようです。

では実際の現場での働き方はどうでしょうか。
ポリクリや初期研修で整形外科を回ると、

こんなに力使う手術できるかな?
患者数多くてみんな疲れてない?
放射線使う手術が多いんでしょ。
夜中も呼ばれるんでしょ。

などなど、女性が整形外科になるには考えるべき壁がいくつも出てきます。


力仕事に関しては慣れる。というか、コツをつかんでいきます。

患者数は多いです。定期手術から緊急手術、圧迫骨折から感染症まであらゆる保存療法。
多い時の患者数は一人で20人を超えることも。病棟もICUから各病棟に至るので回診だけで1時間、指示を入れたり薬を処方したり、採血結果を考えたり、カルテを書くのに一人3分以上かかれば、カルテを書くだけで1時間以上。緊急手術が終わった23時からカルテを書き始めたら終電逃して、なんて。

放射線問題は、救急での脱臼の整復や外傷の手術などプロテクターというものを着ながら対応します。
消化器内科や消化器外科、救急科や循環器内科、放射線科も浴びるので、絶対浴びたくない、という人はそれ以外の科を選ぶしかない。麻酔科も整形の手術に入る場合はプロテクターを着ながら麻酔をかけてくれていますね。
確率論だし、みんながみんな大丈夫とは言えないけれど、子どもはできて問題なく発育してくれているし、周りの上記放射線を浴びる科の友人達も子どもはいるし発育に問題ないですよ。

夜中に手術するのは多いと思います。
外科や産科の帝王切開、脳外科や心臓外科などの命にかかわる疾患が入れば先を譲るので、もともと夜中に手術になることがわかっているときもあれば、交通事故など予測していない手術で夜中に呼ばれることも。
ただこれはどういう病院に所属するかによるので、緊急手術ができない病院にいればもちろんないし、外傷チームと一般整形でわかれている病院でも基本はないです。

どんな整形外科医になりたいかで、生活はがらっとかわります。
患者さんは元気な方が多いし、赤ちゃんから100歳まであらゆる患者さんがいるのでどんな層を診たいかも選べます。
上記以外でもいろいろな壁があるかと思います。
少しでも興味があれば、ぜひ医局の説明会や周りの先生に女医の生活について聞いてみてくださいね。

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