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泊まれるシェア工房!サウナトラックにキャンプ場も併設したLAC八ヶ岳|Fab VOICE Vol.1 渡鳥ジョニー

Fab VOICEとは…
半蔵門にあるシェア工房、LIFULL Fabが運営するクリエイターインタビュー。デジファブクリエイターへのインタビューを通じて、ものづくりへの思いの発信や、クリエイター同士の接点を作ることを目的とした「人と想いが出会う、繋がりの発信地」です。
人生100年時代で必要とされている無形資産に出会える場として様々な分野で活躍するクリエイターの方々にお話をお伺いします。

本日お話を伺うのは、快適なWi-Fiや電源などを完備したワークスペースと長期滞在を可能にしたレジデンススペースからなる複合施設「LivingAnywhere Commons八ヶ岳北杜」のプロデューサー、渡鳥ジョニーさん。
ShopBot」というCNCルーターをテーマに、ものづくり×場づくりについてお話していただきました。

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写真:akari kuramoto

LivingAnywhere Commons八ヶ岳北杜とは

ージョニーさんがプロデューサーを務める、LivingAnywhere Commons八ヶ岳北杜について教えてください。

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写真:syuheiinoue

ジョニー:去年オープンした、標高1000mにある企業の保養所として使用されていたところをリノベーション、コンバージョンしたco-living施設です。
立ち上げ時、滞在しながらものづくりができる「Living Lab」というコンセプトが一つあり、最近念願だったShopBotを導入しやっとデジファブのラボっぽくなってきたところです。1年がかりで導入できたので、とても嬉しく思っています。
そのほかには、3000平米程ある空き地をキャンプ場として開き、サウナトラックを設置して会員の方に日常的に楽しんでいただけるようになっています。隣に川が流れているので、そのまま水風呂に入れたり。
本当に最高です(笑)
このサウナや周辺のベンチやテーブルのなどの家具も、ShopBotを使って新しいものを作りたいと考えています。

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写真:syuheiinoue

ShopBotの強みを最大限生かした製作事例

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VUILD株式会社*と共同でShopBotを使い、コンセプトカーの製作も行っていましたね。そちらについても教えていただけますか。
(*VUILD株式会社:デジタルテクノロジーによって建築産業の変革を目指す設計集団。ShopBotの販売も行っている)

ジョニー:「ニューノーマルな茶室」というコンセプトのもとに、普通のファミリータイプの乗用車を改造して製作しました。
とても狭い空間のため後ろの座席を全て取り外し、iPadの3Dスキャン機能を使って細かい部分までモデリング。そのデータを元に設計して切り出しました。実作業時間としては丸2日くらい。夜な夜なみんなで作業しました。

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写真:黒部駿人、池田秀紀
撮影協力:大信田 侑里、後藤 未来子、木下 香菜、上垣 陽和(株式会社LIFULL)


ー車などの複雑な形状への施工はまさにデジファブの強みですね。

ジョニー:そうなんですよ。僕がバンライフをしていた時、最初は大工さんに協力してもらいながら手作業で製作していたんですが、本当に大変で。プロが作業しても、微妙な位置や角度のズレでうまくハマらなかったり。その時はまだShopBotの存在は知らなかったんですが、ついこの前ShopBotで同じ作業をしてみたら簡単かつ正確で感動しましたね。

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写真:黒部駿人、池田秀紀
撮影協力:大信田 侑里、後藤 未来子、木下 香菜、上垣 陽和(株式会社LIFULL)

「滞在しながら製作できる」新しい工房のカタチ

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ー工房には、ShopBot以外も色々な機材を揃えていくご予定でしょうか。

ジョニー:まさにその通りで、シェア工房にしていきたいと思っています。
その場所に滞在しながら製作できる場所ってなかなかないと思っていて。
やっぱり大型の作品は1日では完成しないことも多いじゃないですか。コストもその分かかってしまうし。1週間、1ヶ月がっつり滞在してものづくりができるといいなと思っています。

ープロジェクト単位で住む場所や工房を選ぶことができるというのは、クリエイターにとってもメリットですね。
データを元に出力を行うShopBotですが、PC上で設計を行った経験はあったのでしょうか。

ジョニー:ないですね〜(笑)元々イラストレーターなどの2Dソフトは扱っていたので、この前もイラストレーター上で設計してみようと思ったのですが、展開図を作りながら頭の中で考えていくのが結構大変で。
3Dで組み立てられればスムーズなので、今後はライノ(Rhinoceros 3D)を勉強したいと思っています。

ーLIFULL Fabのお客様でも、ShopBotを使ってみたいけどデータの作り方がわからないという方が多くいらっしゃいます。慣れてしまえば精度の高い加工が誰でもできるデジファブですが、実際に使用するまでのハードルについてはどうお考えでしょうか。

ジョニー:誰でもフィニッシュまでできるようになるという風にはならないんじゃないかと思っています。スケッチなどを元に、簡単なものをイラレに起こして切り出すぐらいのことだったらできると思うんですが、きっと普通の人はそれ止まりになっちゃう。
今後デジファブが広まって、ものづくりが民主化した時、それ以降のことを担う翻訳者みたいな人が重要になってくるのかなと思います。

ShopBotを使った今後の展望

ー今後LivingAnywhere Commons 八ヶ岳北杜では、モバイルハウスに関連したものづくりが多くなってくると思うのですが、ShopBotの活用方法など何かお考えでしょうか。

ジョニー:まずはキット販売的なことを行いたいと思っています。
それこそ冒頭でお話したサウナとか。注文が入ったらShopBotで切り出して発送、組み立ては現地でする。そうすれば買う側もだいぶ安く手に入るし、あとはある程度のサイズオーダーやカスタムなんかもできたらと思っています。

ー八ヶ岳に行かずとも八ヶ岳のFabが使われている、ものがあることでその場所との接点が生まれ、ものづくりが盛り上がるという形がとても新しいと感じました。
現在LivingAnywhere Commons 八ヶ岳北杜を利用される方で、ものづくりに関心がある方はどの程度いらっしゃるのでしょうか。

ジョニー:まだまだそこに関してはしっかりリーチできていない現状ですね。いわゆるワーケーションという形で、企画職や営業職の方、スタートアップの社長など、割と動ける人が利用されるパターンが大半です。
最近だと地元の繋がりで飲食関係や農業関係の方の利用も増えてきており、
例えば地元の廃棄野菜などを使用してプロダクトを作るなど、フード系の事業にも対応できるように整備しています。
同様にものづくり系の方々にもアプローチをかけて、どんどん利用して欲しいと思っています。LIFULL Fabの会員さんにも使えるような仕組みを作って、データさえあればどこでも作業ができるようにするのも面白いと思っています。

ー全国のFab施設が連携していけば、プロジェクトも色々な場所で同時多発的に発生するようないい状況が生まれそうですね。

ジョニー:あと一つ言おうと思ってたのが、これだけ広い敷地があるので、コスプレの撮影会場にしたい!というお話です。(笑)
(LIFULL Fab薄井はコスプレが趣味)

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写真:akari kuramoto

ーそれめちゃくちゃいいと思います…!
自然がたくさんあるロケーションなのはもちろん、広大な敷地だからこそある程度の人数を入れてもソーシャルディスタンスが保てるのは強いですね。最近は屋内スタジオを借りても従来通りには撮影できないと聞いたこともあります。

ジョニー:今度、宇宙をテーマにしたイベントを開催予定で、宇宙船みたいなものを作る予定です。海外旅行にはいけないご時世だから、宇宙旅行を擬似体験しよう!みたいな。
内容としてはすごく夢のあるものにしたいと思っていて。
正直僕自身あんまり宇宙には興味ないんですけど(笑)現時点での宇宙旅行って、当たり前だけど色々なトレーニングが必要だったり、宇宙食が美味しくなかったりと、辛いイメージがあるので、それを再現してもあまり意味がない。
なので、こんな宇宙旅行だったらいいよねっていうものを企画してやりたいなと思っています。例えば、その内装や宇宙的なインテリアをShopBotで作るとか。
そこをコスプレ撮影で使ってもらったり、作るところからイベントとして開催したりするのも面白そうですよね。

ー開催された暁にはすぐに飛んでいきます(笑)
それでは最後に、今後の展望やお知らせを教えてください。

ジョニー:ShopBotを導入することで、ものづくりの幅がかなり広がりました。
今回お話したサウナやテーブル、ベンチなどのインテリアから、宇宙イベントまで本当にやりたいことがたくさんあります。
お試しでステイしていただくだけでも十分満喫できると思うので、気軽に遊びにきて欲しいですし、こういうものが作りたい!などがあればどんどん相談して欲しいです。
LivingAnywhere Commons 八ヶ岳北杜で新しい出会いやそこからつながる仕事など、様々なものが生まれて欲しいと思っています。

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写真:池田秀紀

さいごに

レジデンススペースという特徴を強みに、滞在型のシェア工房を作る渡鳥ジョニーさん。今後は様々な機材や工具を揃え、イベントも定期的に行っていくとのことでした。ShopBotで製作される施設内の設備も楽しみですね。
アイディア次第で様々な作品を製作できるShopBotはLIFULL Fabでも¥5,000/1H〜ご利用可能です。

▶︎プロフィール

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渡鳥ジョニー
ハイパー車上クリエイター/LivingAnywhere Commons八ヶ岳北杜プロデューサー兼コミュニティマネージャー。
永田町でバンライフをはじめ、全国で移動型の生活を送りながらフリーでWebデザインを行う。
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VLDK
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FABCARプロジェクト
企画プロデュース・全体ディレクション:渡鳥ジョニー
写真:黒部駿人、池田秀紀
撮影協力:大信田 侑里、後藤 未来子、木下 香菜、上垣 陽和(株式会社LIFULL)
設計・施工:黒部駿人、戸倉一(VUILD株式会社)

▶︎LIFULL Fab
半蔵門駅から徒歩2分。
「あなたらしい暮らしをデザインしよう」をコンセプトに、たくさんの機材や工具でものづくりをサポートするシェア工房。
ShopBotやレーザーカッターをはじめとしたデジタルファブリケーション機材やDIY工具を¥880/1H〜でご利用いただけます。


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