近未来の話をしよう−34
世界はいくつもの危機をはらんでいる。
今回のウクライナの件を上げるまでもなくいくつもの紛争が政界のあちこちで起こっている。
地球温暖化は南極の氷河を溶かし、その中に埋もれていたウイルスを再生させる。
ウイルスのワクチンを先進国が巨額の資本を投入して開発し、それを輸出してまた外貨を稼ぐ。
化石燃料がいずれは枯渇することを知っていて、そのために再生可能エネルギーのシステムを開発していたはずだが、化石燃料を埋蔵している国はそれを販売して外貨を稼ごうとする。
地球温暖化は海水温を上げて巨大な台風を生み出し、地球の偏西風にさえ影響を与える。海の生物資源の供給は不安定になり、他国の領海に侵入してまで生物資源を確保しようとする。そして森林での火災、砂漠化は進み自然は壊滅的な打撃を受けている。
農耕地を失い、世界は食糧危機に瀕している。
全ての事柄は繋がっている。
●デジタルだけでは食べて行けない
これから世界で起こる最大の問題は食糧危機だろう。
どこにいようと人は生物である限り食べてゆかなくてはならない。
フードテックやアグリテックは巨大事業を生み出す。なぜなら食料こそが世界で必要な最大のインフラになるからだ。
砂漠で農作物を育てる。海で食糧を作りながらエネルギーを供給する。都心のビルの中で果物を収穫する。各家庭で高収穫をあげる菜園を持つことが義務づけされる。南極圏や北極圏に巨大農場を作る。
洋上に巨大食糧プラントを設置する。昆虫を加工し栄養素を多く含んだ新しいタンパク質系食品を開発する。
エネルギー供給と食糧生産を両立した都市を作る。
私たちはこれから10年の間にこのほとんどを経験するに違いない。
もちろん、これらの食糧テック系事業の拡大と並行して
地球環境の再生を急がなくてはならない。
そして生産した食糧をどのようにして世界中で分配するか?は最大の難航する問題となる。エネルギーに続く資本主義の標的は「食糧」になる可能性が高い。
日本のような狭小の島国では自国での食糧自給のシステムの構築が急務になる。
かつてこの国は食糧の多くを自給していた。
いつの間にか輸入に頼り、それは諸外国との政治的な忖度から始まり、
国は自給する力を失った。
小さな国土で高い生産性を上げる技術はこの国で発展を遂げてきた。
沿岸の水域で魚を養殖し、水産資源を確保する方法、あるいは内陸部で海の魚を養殖する方法。ジャイアントケルプという巨大な海藻の光合成を利用し二酸化炭素を分解し酸素を獲得する方法。潮の満ち引きを利用して電力を生み出す方法。
本当はこの国は少量生産と再生可能エネルギーの技術の宝庫だった。
しかし、国は諸外国との忖度を優先し自国での研究費を削り研究開発を遅らせた。
国に力がないのなら民間で進めるしかない。
国が予算を出さないのなら諸外国から投資を呼び込むしかない。
それをピンチと捉えるのか、チャンスと捉えるのか?
時代はミシミシと音を立てて変化しつつある。
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