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近未来の話をしよう-31

●コミュニティの重要性

コミュニティの重要性を語るとき、いくつかの側面から考えなければならない。

一つ目はコミュニティが事業の成長に重要な役目を果たし「ブランディング」の重要な要素であること。
一つの商品群、集団、事業体などには、それを特色づける一定のベクトルを持った「コミュニティ」の存在やその形成が重要であると考えられる。

二つ目にあげたいのは「コミュニティ」そのものがその方向性を集約させて「コミュニティ」そのものが起こす活動であったり事業が発生するという事実。
コミュニティが自発的に起こした活動やバックアップする事業は安定して拡大し強いブランドを生み出す。

三つ目はコミュニティが生み出す教育の可能性について。同じ方向性を持ったコミュニティではその方向性において年齢や性別に関係なく相互の知識の共有が強まり、専門性の高い相互教育が生まれる可能性がある。教育機関を介することなくコミュニティー全体の知的な成長を望める。

四つ目についてはマイナスの効果について。いわゆるカルト的なコミュニティに関しても前述の三つの特性がある。攻撃的であったり批判的なベクトルを持ったコミュニティは反社会的な活動や間違った情報の共有や教育が行われる可能性がある。
コミュニティそのものが閉鎖的であればあるほどそういった危険性を孕んでいる。

コミュニティを作ることは多くのプラス面を持っているが、マイナス方向のベクトルを持たないためには広範囲な情報の共有が必要でコミュニティ外部からの情報を遮断しないこと、思想を重要視しすぎないこと、コミュニティに対して依存をしなことが大切だと思われる。

●コミュニティが必要な時代性

コミュニティはこれからの時代重要な意味を持つ。
それは「経済的弱者が生きるためにはコミュニティが必要になる」こと。
「平等な教育システムはコミュニティが可能にする」こと。
「新しい産業はコミュニティから創造される」こと。
「コミュニティの存在が地域性から広範囲に広がる」こと。
などがあるだろう。

これまでの経済活動はコミュニティを作らずとも
巨大で広範囲な市場に訴求すればそれなりの成果を得ることができた。
しかし市場規模は縮小し、そのマーケットからユーザーを拾い集めなくてはならなくなった。だから私たちはマーケットのユーザーに働きかけ、自分たちのブランドの方向性を示すことでそのブランドと同じベクトルを持つユーザーを誘引し、コミュニティが生み出すマーケットを育てなくてはならない。
これまでのように一点突破で訴求しても市場のごく一部にしか訴求効果が働かない。自分たちのブランドのコミュニティそのものをマーケットとして確保しなくてはならない時代が訪れた。

●コミュニティの範囲は世界に広がる

デジタル社会が普及した今、コミュニティは場所や距離を選ばず広げる事ができる。その場合に大切なことはコミュニティは嗜好性や文化、精神的な繋がりで作られている部分と実際のコミュニケーションによって作られている部分があるということ。
そして実際のコミュニケーションは音声やリモートだけでは得られない「体験の共有」によって成立する繋がりの方が強いコミュニティを生み出すという事実。

誰かと何かを食べる。一緒にハイキングに行く。一緒に何かを作る。話をする。喜びを分かち合う。そういうことはコミュニティの繋がりを深くし、ブランドへの愛情を育てる。
遠くの人たちとどのようにして体験を共有したり、喜びを分かち合えるかを考え、コミュニティー内の繋がりを深くし、育ててゆくかはこれからのブランディングの中で単なるPR活動よりも重要になってゆくに違いない。

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