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「働く女性」の味方となるヘルスケアサービス!? 2020年2月 Digital Health輪読会まとめ

ライフタイムベンチャーズでは、業界の有志関係者との共催で投資テーマに関わる1ヶ月のニュース記事をまとめ読みし、気になるトピックについて議論するニュース輪読会を実施しています。

本稿では2020.2.28に実施したDigital Health(デジタルテクノロジーを活用した医療・介護・健康関連サービス)に関する輪読会での議論をまとめました。

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1.「働く女性」向けのヘルスケアサービスはヘルスケアを超える?

ニューヨークを拠点とする、働く女性を支援する「Maven」が50億円を追加調達しました。ライフイベントが多く、今後も増加すると考えられる「働く女性」に特化している興味深く、母乳の輸送、卵子凍結、不妊治療、代理母、養子縁組など、医療・ヘルスケアだけでなくライフイベントにまで踏み込んだ幅広い内容が特徴です。
医学医療領域だけではなく、日常も含んだ「ヘルスケア」に対してのアプローチの仕方、またその難しさについて議論が盛り上がりました。


2.放射線画像ではないAI画像診断の可能性

メドメインCEO飯塚氏らによる、胃・大腸における病理診断(上皮性腫瘍)スクリーニングAIの開発に関する論文が出版されました。このAIの判別能は病理専門医の正答率に肉薄した精度で、実際の現場で実用可能なレベルであり、診断の効率化・労働不可の減少が期待できると述べられています。
また、病理診断のみならず医療業界全体において、いきなり医療×AIで導入するよりは、D2D(Doctor to Doctor)遠隔診療などから徐々に浸透させるモデルを通じて、医療従事者、患者からの拒絶反応は少なくなるという意見も出ました。


3.国内でも立ち上がりつつある治験情報プラットフォーム

治験情報インフラを展開する株式会社「Buzzreach」と、患者による疾患情報を共有できるソーシャルデータプラットフォーム「Activaid」が資金調達を行いました。
アメリカと比較すると日本の治験は検索性がなく、その問題を解決しに行くのは良いのではないか。治験探しのIndeedのような存在になればという議論になりました。また、代替療法の検索をしている人を治験情報へ誘導するような仕組みはアリなのでは?という話にもなり、注目の分野です。


4.紹介患者の診療情報フィードバックと「医師による口コミ」

今年度の診療報酬改定で、紹介先で行った診療内容を紹介元の病院へ情報提供する”フィードバック”を評価する項目が新設されます。いわゆる「紹介の御返事」にも診療報酬がつくということです。パッと見では、医者同士が診療内容を評価し合うようなものに内容を読み違えてしまいそうです。
議論は、患者のために診療内容について紹介先・元の病院間で”フィードバック”できるのかという内容に。「後医は名医」という言葉もあり、紹介先のほうが情報を多く持ち後出しじゃんけんの構図、フィードバックを行う関係性ではない、ポジティブフィードバックなら成立する可能性はあるのでは、という話に至りました。


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来月もDIgital Health領域の起業家/新規事業を検討する皆さんにとって有益な情報が提供できるよう、引き続き開催していきます!

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