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第43回 資格と死角

写真は大江稲荷社です
紀行でも取り上げられた稲荷です

トキューサ・・・北条時房と後鳥羽上皇が蹴鞠をやり
後鳥羽上皇と知らないトキューサは、肩をドンと小突いちゃう
ところなんて、本当にやりそうな時房の人柄がかわいいと
思ってしまいました

今回は、改めてオープニングを真剣に見ていたら、
ネットでも話題となっておりましたが、白い犬が小さくいました
わかっていても「あぁ~もう、実朝が・・・」と思ってしまいます

「女人入眼の日本国」と慈円が愚管抄で書いた通り、
藤原兼子と政子のやりとりは緻密な迫力がありました

さて、それぞれの女人には参謀がいました
北条政子には大江広元
藤原兼子には慈円上人
それぞれ、談判のコツを伝えていました

大江広元は
「兼子さまは、頼仁親王様を育ててこられた方でございます。
親王様が鎌倉殿になられるということ、兼子さまにとっても
願ってもないこと、そこをうまくくすぐる。
談判をうまく運ぶコツにございます」

慈円上人は
「征夷大将軍の母親とはいえ元は伊豆の田舎娘。
侮られてはいけませんよ」
「へし折ったうえで話に乗ってやる、談判をうまく運ぶコツにございます」

この二人の助言は、双方が談判をうまく運ぶコツを伝えています

大江広元は、兼子さまへの尊厳を忘れないように立場を
合理的に伝えています
この伝え方は、政子にとってわかりやすく何が来ても談判を上手く
運ぶことだけを考えることができます
また、丹後局との過去のやりとりも経験しているので、
下にみられることも想定済みでした

慈円上人は、政子を田舎娘と相手を下にみる方法で相手の立場を伝え
兼子のプライドをくすぐりました
でも、具体的なことは伝えていません

双方の意見を聞いた、兼子と政子の談判では、
政子は下でに出て「お口汚しにございますが、お納めくださいませ」と
干しタコを差し出しました
その言葉尻をとらえた兼子は
「ほぉ~板東の習わしでは、口が汚れるものを差し出されるか・・・」
と、鼻をへし折ったつもりだったのですが、
「たまには、汚れたものを口にするのもようございますよ。
日々の食事がいかにおいしいか、改めて思いを致すことができます」
あくまでも高貴なお方である兼子さまだからこそと返しています

さらに、鼻をへし折りたい兼子は
「政子殿はるばるようこそ、遠い板東からお越しになった」
板東という地名を使ったのですが、政子は
「地の果ての鎌倉より参りました」
板東ではなく、鎌倉と言い直してました

双方のマウントどりは政子の方が上手だったように感じます

言葉は、相手を癒すことや楽しませることもできますが、
使い方を間違えると後味が悪い思いをすることもあります

また、心の中に出自や性別など本人がどうすることもできないことで
下にみる思考は言葉に現れます
兼子の「政子殿はるばるようこそ、遠い板東からお越しになった」
事実を伝えているのですが、バカにされたように感じます

その人が、どのような行動をしてきたのか?
その結果、どのようなことになったのか?
その人の生き方などに焦点を当てたものの見方をしたほうが
建設的に感じます

とは言え、私もついうっかり「だから、男ってさぁ~」なんて、
世の男の方を敵に回すようなことを言ってしまうことがあるのですが・・・
すみません
「男ってさぁ~」ではなく「その人ってさぁ~」って伝えなくては
いけませんね。
思考を変えて、一括りにしないようにしなければならないですね
思考が変われば、行動(言葉)も変わります
今までのことが絶対ではないことを知っている方も多いと思います
違った思考に変えることを交流分析では再決断と言います
再決断は、ささいなことから始めて良いと思います
例えば・・・皆さまは靴をどちらの足から履きますか?
気がついた時に自分で意識していつもと違うことをしてみる
そんなところから気づきを得るのも楽しいものです


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