第23話 狩りと獲物
曽我兄弟の敵討ちと言えば、日本三大敵討ちとも言われるほど有名ですが、
どのような展開になるのか楽しみなのか後味が悪くなるのか
微妙と勝手に予想w
しかし、三谷幸喜氏の脚本は冒頭から予想を覆す展開から始まりました
義時「五郎(時連)、ちょっと二人になりたいのだが・・・」
(裏面では、父上と二人で話したいから席を外して欲しい)
五郎「かしこまりました。(手に持つ書類を床に置く)」
義時、時政、五郎の三人が「あれ?」と思うような空気を読み合い
五郎は「父上、あちらへ・・・」と手で退出の方向を指し示した瞬間
義時の「父上と二人になりたいんだ」と畳みかけられる
主語を伝えない義時のやりとりにも問題があるけど、
兄上大好き、お話をもっとしていたい五郎の気持ちもわかる
人のやりとりの大半には、それぞれの良い悪いではない言葉の裏側があり
お互いが傷つけぬように、間違えたら「ご無礼を致しました」と
間違えを認めることのできる環境の必要さを強く感じる場面と言えば
格好も付くだろうけど、個人的には「五郎ちゃん、空気を読もうね」と
笑ってしまった場面であった
また、狩場の場面では「成長著しい金剛」が登場
子ども金剛君が1週間で100cmほど伸びて成長してしまった・・・
ここでも、頼朝の息子の万寿が獲物が取れないなか、
金剛は小鹿を仕留めたものを義時のもとに持って行き
金剛「早速、鎌倉殿にご報告に・・・」と移動するところを
三浦義村と義時に「やめておけ!」と止められました
ついでに、鹿を狙った万寿が側にいた金剛に「やってみて」と渡された矢で
鳥を射てしまった金剛
若さなのか空気が読めない。それも勉強だし経験だと思うのよね
そんな時に「やめておけ!」と言ってくれる年配者が側にいてくれるのは、
ありがたく頼もしいものを感じました
見習いたいです
また、比奈と義時の関係が構築されていく場面もセリフも
興味深いものでした
義時が八重に13話のセリフが
義時「振り向かなくても構わない。背を向けたいなら、それでもいい。
私はその背中に尽くす。八重さんの後姿が幸せそうなら、
私は満足です。」
24話には、比奈が義時に
比奈「私の方を向いてくれとは言いません。私が小四郎殿を見ていれば、
それでいいのです」
義時が気がついたのかはわかりませんが、セリフのブーメラン
類は友を呼ぶと言いますか、この先色々あるのですが、
この段階では、情熱的に優しい気持ちを持った人の周りには
同じような人が集まってくるものなんだなぁ~とも思えました
さて、今回の狩場での撮影現場に関しては
「100カメ」でも舞台裏として取り上げられた
観ていて思ってたのよ
普通に「すごいなぁ~。これ、テレビなのに何の妥協も感じない」
撮影現場が、気になるところよねぇ~
大規模な狩りを再現するということは、簡単なことではない
10日かけてセットも組んで1話分の使用
衣装(150枚)太刀(70本)も用意してエキストラ100名以上!
あっ、かつらも・・・(150個)
そのうえ、動物まで絡めなくてはならないのですよ
お招きする動物は、
イノシシ60頭
馬4頭
ウサギ2羽(当時、静岡にいたであろう野ウサギ)
タヌキ1頭
凄まじい奮闘劇になっていたことも予想がつきます
イノシシのシーンは別撮りであったにしても、格闘すること2時間半
使われたシーンは計4秒の2カット
さらに、天候。これは、コントロールすることができないが
日程の変更も出来ない
全く気がつきませんでしたが、撮影の時は雨だったんですね
いや・・・情熱が半端ない
この、熱意ってなんなんだろうか?
もちろん、仕事なので「~ねばならない」の価値観は、あると思います
義務であり、完全であり、理想に近づけなくてはならないですよね
しかし、「~ねばならない」だけで保てるものでしょうか?
「~ねばならない」の価値観だけでは、厳しく、辛く、
羽交い絞めにされているような苦しさの中で、
プレッシャーだけを感じて、個人の力ではどうすることもできない、
天候に向けて怒りを感じ続けてしまうストレスの中に身を置くことに
なるのではないでしょうか?
作り上げる面白さ
一つのことを目標に団結する楽しさ
信じあえる仲間との共同作業
過去に経験したことのある高揚感は、感情です
ほんの少しの自分らしさを発揮する「自由な子ども」である
心の機能が動かないと、こんな大きな現場を関わることは
しんどいだけになってしまうのではないでしょうか?
また「~ねばならない」だけではなく、
共演者、脚本家に対してのリスペクトの気持ちや、
視聴者に「楽しんでもらいたい」といった、思いやり?
優しさ?を発揮することへの達成感もあるとするならば、
良い意味での「他人を喜ばせよ」に駆り立てらているのかもしれません
心は様々な方向に動きます
駆り立てられて、自分を追い詰めることもあるでしょう
また、なぜかストップをかけてしまい動き出せない自分に
腹を立てることもあります
まずは、ゆっくりと正直な自分の心の声に耳を傾けて
自分と話し合ってみてください
そんな時に使えるのが、心が明確にわかる心理学の交流分析なのですが、
とりあえず、一か所に心を偏らないように、
一か所に心を置きっぱなしにしないようにしてみませんか?
おかげさまで多くの方に読んで頂いております
ありがとうございます