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7回忌に想う

フォーマルバッグと靴を忘れないように、何日も前からセットで玄関に置いていた。なのに、靴だけ履いて出掛けてしまった。香典袋とペンをもう一度買い、訪問先で数珠をお借りする。

おじちゃん、わたしの相変わらずのとんだドタバタ劇をお楽しみいただけたでしょうか。おばちゃんは早々にストッキングが電線してワーワー言ってたし、お姉ちゃんは、永谷園のお吸い物大容量パックと正論を子どもたちに振りかざしてて。弟くんが訃報直後の葬儀場におじちゃんが大好きだったケンタッキーを持ち込んできた奇跡をまた思い出して、相変わらず騒がしかったね。

あっという間に7年経つけど、わたし達はさして成長もせず、ただただ騒がしく元気です。強いて言えば、おばちゃんのせっかちが3倍速くらいになってる。「一回落ち着いて、もう勘弁してよ」って何度も言ってくれてたおじちゃんがいないから、加速してしまうんよ。定期的におばちゃんの枕元に来て、落ち着いて日々を安全に過ごすように暗示をかけてください。どうぞよろしくお願いします。

おじちゃんのおかげで、生物学的ひとりっ子のわたしが、超手厳しい姉とハイパー自由な弟に挟まれる、次女的人生経験をすることができたよ。改めてありがとうね。わたしが1番扱いやすかったことは、今でも自信があるよ。

孫たちが成長して逞しくなる一方、親のわたしたちは、まだまだ手探りで必死の形相で子育てしているよ。おじちゃんがいつも見守ってくれてた川遊び、今は私たちが見守る係になってびっくり。

今年の夏も、相変わらずあの川で、あの頃の私たちのようにおおはじゃぎするよ。スイカも流れていかんごと、冷やすけん。サンダルは毎年必ず誰かが流してしまうのは夏の風物詩みたいなもんやけん。おじちゃんが最速でキャッチしよったの凄かったんやね。私たちは誰も無理よ、諦め早いっちゃん、その技教えてもらっとけばよかったぁ。

今日は騒がしかったから疲れたやろ。これからも、とても騒がしいみんなを、いい距離感でタバコ吸いながら見守ってね。

喜びます、ありがとうございます。