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Deep Techと研究業績

簡単なインターネットサービスやスマートフォンでアプリで一攫千金、といったことは年々難しくなってきている。その中で一つ大きな注目を集めているのは、高度な科学技術をコアとした(=Deep-Tech)領域である。特に日本国外では、Deep-Techスタートアップがいくつも立ち上がってきており、分野によってはIPOまで漕ぎ着けているものもある。

比較的大きくなっているDeep-Techスタートアップ領域を観察していて気づくのが、いかに華々しい研究業績を持った創業者が多いか、である。実際、Google scholar citationで一万を超える人たちがゴロゴロいる。
研究業績が必要なのは、高度な科学技術を要求するDeep-Techゆえかもしれない。が、果たしてそれだけが理由だろうか?必ずしも高度な技術力が勝負の鍵とはならないインターネットサービスとは何が違うのか。

これはDeep-Tech領域の歪んだ構造に起因する、というのが私の仮説。Deep-Tech領域は、ビジネス的に苦戦しており、その権威/成功の尺度を売上/ユーザー規模といったもので測ることは極めて難しい。結果として、創業者(or コアメンバー)の研究業績を看板にして資金を集めない限りは大きくなれない、という構造がありそう。
ここに大きな市場の歪みが存在するのでは?高い研究業績を看板にしている構造は、それを持つ人間の影響力の強さを意味する。高い研究業績とビジネスセンスは比例する訳ではなく、そこに非効率が存在する。

逆に言えば、大きな資金調達に依存することがなく、超最新の研究というよりは、高度なビジネス的立ち回りを武器としたDeep Techスタートアップを作れれば、大きなブルーオーシャンを獲得できる可能性があるのでは?
どういう領域を攻めるべきか?高度なビジネス的立ち回りとは具体的にどういうこと?この辺りが、解くべきイシューなのではないか。

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