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料理を持ち寄る食卓

先週末、我が家で持ち寄りの夕食会をした。食卓を囲んだのは、同じ町内のご夫婦おふたり。以前、別のご近所パーティで妻さんと恋人がご一緒し、同じ町内に住んでいることがわかって、今度4人でご飯でも、ということになったのだ。

妻さんがマカロニグラタン、夫さんがお肉を持参してその場で焼いてくださる、とのことだったので、私たちは、前菜になるような野菜料理をいろいろ準備することに。私はラディッシュバター、文旦のサラダ、恋人は山芋のフリットに、宝塚ネギのグリル。

トップバッターは、私のラディッシュバター。朝にJA直売所で買ってきた新鮮なラディッシュを、半割して山盛り並べたのに、いろいろな種類の塩と発酵バターを添えたもの。私お得意の切っただけ料理だけど、大皿にわさわさ盛ると大迫力だし、手づかみして、それぞれひと手間かけて食べるDIY料理は、会話のスターターにもちょうどいい。

次は、恋人が山芋のフリットを揚げる。先日の鳥取出張でお土産に買ってきてくれた山芋三種、自然薯、つくね芋、ねばりっこをすりおろしたものを、順に揚げていく。恋人は揚げものは慣れているが、これは初めてのチャレンジなので得意料理というわけでもない。でも、こうやって食材を食べ比べられる料理には、批評の面白さがある。「美味しい」だけではないいろいろな表現が、自然と出てくるので、会話も弾む。

たみまる文旦のサラダ、宝塚ネギのグリルと、我が家の地元野菜の料理が続いて、次は妻さんのマカロニグラタン。我が家のオーブンで焼き目をつけて仕上げる。何度もくり返しつくられた料理特有の落ち着いた美味しさがある。それまでの会話で、現在カナダに留学中の娘さんのことが話題に上っていたけど、娘さんのインター時代の保護者の集まりにはよくつくって持って行っていたのを、久しぶりにつくったという。自分の母親がつくるグラタンが好きで、それを目指しても、やっぱり自分の味になってしまうんですよね、という話を聞きながらグラタンを味わうと、お母さんと娘さんも一緒に食卓を囲んでいるような気分になる。料理は、そのつもりはなくても、家族を表現するものになるし、まだ見ぬ相手に親しみを感じるきっかけになる。

そして、夫さんのステーキ。フライパン持参。料理は、お肉を焼くこと以外はしないけど、お肉を焼くことは大好きとのこと。自宅でも、お肉を焼くのは夫さん担当で、妻さんはもう何年も焼いてないという。なるほど、こんな風に、ひとつの料理を突き詰めるのもいいなあと思う。もちろん、上手になるし、語れることも増える。突き詰めた人のおしゃべりはどんなテーマであれ楽しいもの。今回は、贅沢なことに銘柄牛を2種類焼いてくれて、めったにできない食べ比べのおしゃべりも味わえた。

デザートは、去年の夏の私の無花果三昧の日々を語りながら、瓶詰めしておいた無花果の酢煮とアイスクリームで。「庭の無花果実るのを楽しみにしてますね」「ふふふ、いつになることやら」と最後はみんなで笑っておしまい。

料理とおしゃべりが一緒に味わえる、持ち寄りの食卓は、ホスト対ゲストみたいに立場が固定化されないし、おしゃべりが弾めばOKだから「良いものは良い」みたいなところからも自由になれる。もっと気楽に頻繁に、楽しみたい。そろそろかな。


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