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ライフリンク・メディア報道・自治体トップセミナー・2016年9月~2018年10月③

ライフリンクと厚生労働省が推進役を担った「地域自殺対策トップセミナー全国キャラバン」の全国の会場では、自死遺族の思いを伝える展示も行われ、深い共感を広げていきました。また、トップセミナーの議論では、それぞれの自治体の事情をくみとった地域密着の分析結果も披露され、首長や自治体の関係者に多くの気づきを与えました。

2017年2月24日 山梨・トップセミナー会場での展示


2017年3月28日 新潟・トップセミナー会場ての展示

こうした議論は、メディアも注目し、大きく報道されました。主な報道をみていきます。

2017年9月1日 中日新聞
名古屋市内で行われ、一宮市など愛知県8市町村の首長、愛知県内全市町村の健康福祉部局の部課長が参加した。
清水康之代表は「愛知県内の職業別自殺者は近年、無職の人が減少傾向にある一方、被雇用者は横ばいが続いている。産業県の特長だ。配置転換など職場環境の変化で悩んでいる人には、特に周囲のケアが必要だ」と指摘した。

2017年9月8日 読売新聞岐阜版
岐阜市内で行われ、県内の担当者ら約100人が参加した。
清水康之代表は、ライフリンクが行った自殺者約500人の原因分析を紹介しながら「自殺にいたるまでの全体像を捉えていかなえればならない」と提起した。

2017年10月20日 福井新聞
福井市内で行われ、県内市町村の担当者ら約80人が参加した。
清水康之代表は「亡くなる前に家族が専門機関に相談していたのは7割に上っていた。労働、教育、医療など地域のあらゆる相談窓口が包括的支援の入り口になれるとうなネットワークづくりが重要」と指摘した。
厚生労働省の担当者は、自殺対策の重要なポイントについて▽地域レベルの実践的な取り組み支援の強化▽子ども・若者の自殺対策のさらなる推進などを挙げた。

2017年11月9日 山形新聞
山形市内で行われ、山形県内の首長、担当者約120人が参加した。
清水康之代表は「自殺のきっかけは日常にあふれており、職業などの属性や地域で抱えている問題はそれぞれ違う。各自治体は戦略的に対策を講じる必要がある」
「社会や価値観は多様化し、地域で起きる問題も複雑化している。地域の実像を的確に把握して自殺に対応できる地域のネットワークや力を付けることで、他のあらゆる問題にも対応できるようになるはず」
「地域の財源や人材は限られている。首長のリーダーシップの下で、関係者の力を結集できるかが重要だ」
と指摘した。


2017年11月10日 山陰中央新報
松江市内で行われ、関係者約80人が参加した。
清水康之代表は「自ら命を絶つ人は、失業や生活苦、多重債務、うつ状態といった要因が重なり、死に追いやられる。一つの要因が解決しても、その他が悪化して自殺する人が多く、複数の相談機関が関わり、問題解決のスピードアップを図る必要がある」
「ライフリンクが連携する東京都足立区で、自殺率が高かった中高年失業者向け相談会を定期開催した結果、自殺率が下がった。悩みを抱えやすい世代を把握し、関係する機関や団体とのネットワークづくりが大切だ」
と提起した。

2017年11月14日 河北新報
仙台市で行われ、宮城県内35市町村の幹部ら約120人が参加した。
清水康之代表は「自殺は失業や家庭不和など多様な問題が複雑化して起きる。地域のセーフティネットを広げ、包括的な支援を意識してほしい」と指摘した。
千葉健司・栗原市町は、メンタルヘルス研修や傾聴本ランティアの育成など独自の取り組みを説明し、「地域で顔の見える関係が大切だ」と話した。
大友喜助・角田市長は児童生徒に対する啓発活動の必要性を強調し、「自己肯定の意識を高めていく」と述べた。

自治体トップセミナーを伝える新聞各紙

2017年11月22日 富山新聞
富山市内で行われ、入善町長をはじめ市町村職員ら関係者約70人が参加した。
清水康之代表は「自殺対策には首長のリーダーシップが極めて重要。自殺は失業や過労、将来不安やいじめなどの要因が連鎖することで起きる。それそれの対策を点での取り組みではなく、関係団体がネットワークをつくることが大事だ」と指摘した。

2017年12月27日 宮崎日日新聞
宮崎県内の各市町村長、民間団体から約190人が参加した。
清水康之代表は「相談窓口の認知度を上げることや悩んでいる人に声を掛けるゲートキーパーの育成などの対策を行い、生き心地の良い地域をつくることが大切だ」と指摘した。

2018年1月11日 新潟日報
新潟県長岡市で行われ、長岡市と36機関の130人が参加した。
清水康之代表は「自殺対策を進めることで、あらゆる問題に対応できる地域力が備わる」
「若者の多くは相談機関を利用していない。窓口を知らなかったり、悩みをどう打ち明けていいのか分からなかったりという現状があり、SOSの出し方を教えていく必要がある」


2018年1月11日 毎日新聞新潟版
清水康之代表は「当事者のニーズに応じて相談機関が連携する必要がある。連携が深まればセーフティネットの網の目が細かくなり、誰もが生きるための支援を得ることができるようになる」と述べた。

2018年3月19日 読売新聞鹿児島版
鹿児島市で行われ、約300人が参加した。
清水康之代表は「個々の要因に対応する相談機関同士をつなぎ、面としてのセーフティネットを作らなければならない。一緒に相談窓口に行くなど、周りの人ができる取り組みを行うことも大切だ」と述べた。

地域自殺対策トップセミナー全国キャラバン開催日一覧

長野県  2016/09/14
徳島県  2016/12/19
千葉県  2017/01/16
香川県  2017/01/25
埼玉県  2017/02/01
広島県  2017/02/07
山梨県  2017/02/14
茨城県  2017/02/15
愛媛県  2017/03/22
新潟県  2017/3/28
岩手県  2017/05/29
三重県  2017/07/04
静岡県  2017/07/07
青森県  2017/07/24
秋田県  2017/08/01
鹿児島県 2017/08/09
山口県  2017/08/21
群馬県  2017/08/23
愛知県  2017/08/30
岐阜県  2017/09/06
栃木県  2017/09/13
佐賀県  2017/10/05
福井県  2017/10/19
島根県  2017/10/27
山形県  2017/11/09
滋賀県  2017/11/10
宮城県  2017/11/13
富山県  2017/11/21
高知県  2017/11/28
福島県  2017/11/30
宮崎県  2017/12/26
鳥取県  2018/01/16
大阪府  2018/01/22
熊本県  2018/01/29
大分県  2018/01/30
福岡県  2018/02/07
岡山県  2018/02/09
長崎県  2018/02/19
石川県  2018/03/02
東京都  2018/03/28
兵庫県  2018/04/28
北海道  2018/06/06
和歌山県 2018/07/07
沖縄県  2018/07/25
京都府  2018/08/03
奈良県  2018/09/14
神奈川県 2018/10/31

次回もトップセミナーの議論をみていきます。

写真は、富山市の富山ガラス美術館にて。

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