ライフリンク・メディア報道・2013年3月
ライフリンクは、「自殺実態白書2013」を公表しました。自殺で亡くなった500人とそのご遺族500人のあわせて1,000人を対象とした大規模な聴き取り調査です。すでに、自殺で亡くなった305人までの調査が終わった時点で「自殺実態白書2008」を公表していました(2008年7月)。今回はその完成版で、改めて大きな反響を呼びました。「調査の結果、自殺に至るまでに平均3・9個の要因を抱えていたことがわかった。5割余りの人が『うつ病』で、ほかに『身体疾患』『職場の人間関係』『家族間の不和』『多重債務』『生活苦』『事業不振』なども目立つ」(2013年3月17日、朝日新聞)▽「浮かび上がったのは、自殺で亡くなった人の多くが、直前まで生きようと努力した姿だ。亡くなる前に、70%が行政や医療などの専門機関に相談しており、5%は自殺の当日にも相談していた」(2013年3月14日、読売新聞)
「自殺者3万人下回る」をテーマに、清水康之代表の寄稿が掲載されました(2013年3月2日、京都新聞)。清水康之代表の指摘「具体的に見ていこう。最大の変化は、地域の細かいデータが公表されるようになったことだ。4年前までは年に1度、全国の自殺者数が発表されるだけだったものが、現在は市町村単位で毎月、公表される。その結果、各地で実態に即した実践的な対策が可能になった」「ネットワークも成長した。2011年7月に『自殺のない社会づくり市町村会』が発足。当初は80だった参加自治体の数が、現在は237に増えている」「2010年には自殺リスクの高まる3月を『自殺対策強化月間』に定め、広く全国で総合相談会や啓発イベントが行われるようになった」「2009年度からは国が『地域自殺対策緊急強化基金』をつくり、財政が切迫している市区町村も対策に取り組めるようにした」「『3万人』という数にとらわれがちだが、その一人一人が、誰かにとっての『1分の1の存在』だ。そのことを私たちは片時も忘れてはならない」が掲載されました。
「自殺実態白書2013」に先立って公表された「自殺実態白書2008」は、「ライフリング・ヒストリー」で詳しく紹介しています。また、当時の新聞各紙の記事は「ライフリンク・メディア報道・2008年7月」にまとめています。
写真は、新潟県十日町の越後妻有里山現代美術館 MonET
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