きょう心にしみた言葉・2023年11月28日
今年、「 汝 、星のごとく」(講談社)で2度目の本屋大賞を受賞した作家の凪良ゆうさんは、小学生の頃に児童養護施設に入所し、15歳で働き始めました。幼少期のつらい状況を救ったのは、漫画や児童書などの物語でした。読売新聞のシリーズ「STOP自殺 #しんどい君へ 」には、凪良ゆうさんが生きるために紡いできた多くの言葉があります。
凪良ゆうさんのすさまじいまでの半生を淡々と語っています。
「施設では、一つの棟に住み込みの保育士1人と、小中学生の男女10人ほどとで共同生活を送りましたが、心に傷を負い、問題を抱え、誰にも心を開かない子が圧倒的に多かった。大人の前ではニコニコしていても目は笑っていなくて、陰で暴力を振るうのは日常茶飯事。緊張と警戒を強いられ、気が抜けませんでした」
そんな半生を生き抜いてきた凪良ゆうさんの言葉は、心の中にじんわりと伝わってきて、生きる力へと変わっていくように感じます。
「これまで、もう駄目だと思ったことはたくさんあります。でも今も何とか生きています。死にたくなるたび、あの頃よりマシだよなあと思えるんです。地べたをはいつくばるようなつらい過去だけれど、それも生き続けてさえいれば、いずれ最強のカードへと変わることを大人になってから知りました」
「苦しい時には、「自分はどうしたいのか」を考えていくしかない。他の誰かと比較したり、こうあるべきとの幸せにとらわれたりしなくていい。自分にとっての幸せを見つけ、それぞれが自分の人生を生きていけばいいのです」