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きょう心にしみた言葉・2024年1月30日

私は、子どもがどんな風に生まれてきても、母親が自分たちの人生を諦めずに生きられる社会になってほしいと願っている。

NHK WEB特集「お母さんは、もっと自由でいい」から

都内に住む山本美里さん(43)は、中学生から大学生まで、4人の子どもを育てる母親です。以前は子どもを保育園に通わせながら、輸入雑貨を扱う企業で働いていました。
しかし、重い障害がある次男の瑞樹さんが生まれてから生活は一変しました。

ほぼひとりで、瑞樹さんの通院や看護、ほかの子どもたちの育児に追われる日々です。
瑞樹さんは特別支援学校に入学しましたが、条件として、保護者が学校に付き添うことを求められました。
特別支援学校の教室で朝の9時から午後3時までのおよそ6時間、校内の教室や待機室のすみで、ただ時間が過ぎるのを待つことになりました。
そして、学校で言われたのが「必要なとき以外、お母さんは気配を消していてください」という言葉でした。

心折れそうになった時、山本さんの心の支えになったのが「写真」でした。
瑞樹さんとの日常の風景をSNSに投稿してコメントをもらえると、今のままの自分を受け入れられたようで楽になれたといいます。
写真について本格的に学びたいと、通信制の大学に入学しました。
学校で待機する時間を使って、山本さんは写真を撮り始めます。

撮りためた作品はSNSで広がり、出版社の目にとまったことで、去年12月、写真集として販売が始まりました。
タイトルは「透明人間」としました。
帯には「“見えないもの”とされているすべての母親たちへー」とつづられています。

写真集のあとがきで、山本さんは訴えています。
「この写真集が私の生きている世界と外の世界をつなぐツールとなって、この現実を変えていくきっかけになってほしい。私は「今」を生きたい。そして、私と似たような経験をしている人たちに「あなたは一人ではない」と届いてほしい。あなたも私も、確かにここに存在している

「子どもがどんな風に生まれてきても、母親が自分たちの人生を諦めずに生きられる社会」。その到来が強く望まれます。


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