幻の雪
雪だった昨日
おやつにチョコレートケーキを焼いた
出来上がった生地をオーブンに入れてやれやれというところで、うわっと声が出た
外は真っ白な吹雪
しかもうっすら積もっている
いつから降ってたんだろう
やっぱりおやつ作るの好きなのかと、なぜかまるごとは認められなかった自分の一部を受け入れた
窓ばかりの部屋でいて積もるまで雪に気がつかないほどに夢中だったようで
国境の長いトンネルを抜けると雪国であった。夜の底が白くなった。
出来上がった生地をオーブンに入れると雪国であった。昼の頭が白くなった。
すみませんふざけて
でもちょっとそんな感じだったので
突然に広がる雪景色のインパクトが強烈で名作の一節が脳内を巡りました
出来上がったケーキはロールケーキのはずがうまく巻けずに重ねて詰めてすくって食べるタイプに変更
意外とこういうのが好評だったりする
生クリームの上にかけた削りチョコレートが茶色い雪のようだった
一夜明けて
超快晴
地面も乾いている
あの雪は幻だったのか
起き抜けに冷蔵庫を開けると雪国であった。朝の目の前は茶色であった。
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