見出し画像

自殺のリアリティ


2021.12.23

「自殺を少し考えました」

この言葉を生保レディから聞いた時、衝撃が走った。

それと同時に、自分が今いる場所はやっぱり変な場所なんだとも思った。

それほどその言葉が持つ力が大きくて、僕の中では非現実的な言葉である。

返す言葉がなかった。

僕自身これまでの人生、多くのことを経験してきたと自負している。

だからこそ、相談に乗ることは好きな方だし、

何か影響を与えられるアドバイスも得意な方である。


今日もいつものように1人の生保レディが話に来た。

最近あまり出社していない人であり、元気もなさそうな様子だったから、話したかった1人である。

その会話の冒頭「自殺を本気で考えました」と言われた。

初めて何を発すれば良いかがわからなかった

そして、本気で言葉を探していた。


なんで自殺するんだろう


そもそも自殺なんで自分自身考えたことがない。

ただ、最近ニュース等でも自殺について流れている。

正直、なんで自殺をするのか全くわからない。

もちろん、生きていく上で悩みや嫌なことはある。

今いる場所から逃げたいと思うこともある。

でも、この世からいなくなりたいと思うのは本当に不思議だ。

環境や人が変われば何か新しいことが見つかるのに。

この当たり前だと思っていた考えは、誰しもにとって当たり前ではないのである。

人それぞれ捉え方や考え方は違う。

今の職場を見ても年齢や性格、育ちなど本当に違う人たちが集まっている。

自分にとっての常識は常識ではない世界。

それは『生きるか死ぬ』という究極的なところまでも普通とは違った。


仕事が生む2つの問題

ブラック企業で残業ばかり。
上司による圧がすごい。

など会社に対しての不満は基本的にみんな思う。

でも自殺するまで追い込まれる原因は何か。と考えた時

それは『他人の存在』である。

働く仲間が皆いい人で楽しい職場なら、いくら残業が多くても、どんな仕事が辛くても自殺には至らない。

原因の1つは『人からの圧』でしかないのだ。

どうしても仕事をする上で存在するものは組織である。

個人で全て仕事をする内容であれば、人からの圧は感じない。

ただ組織に所属する以上、自分以外の誰かがそこにはいる

組織の存在が良い効果を生むケースは、皆んなと過ごす楽しさ協力し合えることである。


一方、組織が生む悪影響は

嫌な人の存在上の人からの圧である。

嫌な人の存在、そして組織であるが故の連帯責任が人にダメージを与えていく。

そして耐えれなかった人は、メンタルを崩し自ら消える選択になってしまうのである。



仕事が生むもう一つの原因は

理想を描くことによる『自分自身への幻滅』である。

人のことが嫌いでも、自分のことが好きであれば自殺は考えない。

だから、うまくいっている時や調子のいい時は、他人をシャットダウンして自分の道を進む選択ができる。

しかし、仕事で失敗したとき、思うような成果が出ない時、自己嫌悪に陥ってしまうケースもある。

仕事のデキで自分のことがどんどん嫌になっていくのだ。

そして何かを変えるのではなく、自ら消える選択になってしまうのだと思った。


理想を持たないことが大切


ストレスを抱えない最もな方法はこれだと思う。

何かうまくいかないことがあった時、

理想を持つことによる現実とのギャップが与えるダメージは大きい。

『自分はこれだけできるのに』といった理想と何もできていない現実。

この理想が本当に邪魔でしかない。

同じ失敗をしたときに、自分の能力を認めていたり、理想を持っていなかった場合

自分の力を認識し、この失敗は当たり前だと受け入れることができる

自信を持つことは大切だが、その自信から理想を高く持つことはしない方がいい

ダメだったときのギャップが与える、自分へのダメージが大きいから。

理想の崩壊こそメンタルの崩壊につながる。

理想がなければメンタルに結びつかない

起きたことに対して、全て今の自分の実力であるという考えがあれば自己嫌悪になどならない。

もちろん、自殺も考えない。


僕がその人にかけた言葉


最初に戻るが、その言葉を聞いた時

何かを言うことが最悪の事態を生む可能性があると考えた。

だからこそ、ずっと頷き聴くことだけに徹した。

たたひとつだけ伝えたことがある。

感謝⇄当たり前

感謝の反対は当たり前であること。

日常を当たり前だと思っていたら感謝など生まれない。

起きている全てのことは当たり前ではない

ご飯を食べられること。
毎日仕事ができていること。
普通に話せていること。

どれも当たり前だと思っているからこそ、その行動に対して感謝はしない。

ただ、周りに目を向けた時、その当たり前すら当たり前でない人もいる

それを考えるだけで、『人からの圧』や『自分自身への幻滅』による自殺は考えてはいけない。

その言葉を伝えた時、その人がちょっと考えを改めた瞬間を感じた。

正解かはわからないがその場の対応はなんとかなった。


今日の日のその人の言葉は忘れない。

くだらなすぎる。
でも何も言えない。
強く言ったら死ぬ。

こんな恐怖を人生で経験する日はないと思ってた。

やっぱりここは非現実世界だ。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?