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生産性のないゲーム


2021.10.30


企業のエレベーター前に立っている

周りを見ると他生保の女も立っている

立つ場所は決められている

自分のテリトリー以外は攻めれない、テリトリーに入ってきた人に対してはアプローチできる。

この活動は一種のゲームだ。


伝統的な営業スタイル


生保レディの営業スタイルは年々変わってきている。

ただこの営業スタイルだけは未だに変わってない。

上記のゲームこそ昔からある『営業戦争』なのだ。

戦場は企業のエレベーター前廊下

開催時間はお昼休憩時終業時間の後

相手は顧客でもあり、他生保だ。

とにかくその場に立ち尽くし、他生保の女に負けないように、ひたすら通りかかる人に対して声をかけるのだ。

顧客情報を入手するためにアンケートを取得したり、名前を覚えてもらうために自分をアピールする。

基本的に毎日『同じ時間に同じ場所に立つ』ことで、相手に印象付ける効果があり、継続することが大切な活動なのだ。

企業の職場で活動することを、昔から職域活動と言われている。


衝撃的なリアル

2番手として提案だけでなく、職域活動にもいくことがある。

今となっては感覚が麻痺しているが、初めて職域に行った時は衝撃的だった。

声かけても基本的には無視。良くて会釈

アンケートを書いてくれる人なんてほぼゼロ。

リアルはこれだった。正直きつい。むしろくだらないとも思った。

毎日「アンケートお願いします」と言い続ける1〜2時間は本当に無駄でしかないと思う。

でも上司は、職域には毎日行けと言い続けるのだ。


外資系・代理店の保険営業


同業他社で働く知人に、営業スタイルを聞いた。

そのスタイルの大半は『紹介』で占める。

どんどん輪を広げていき、また更に広げていく。

1日のスケジュールを分刻みのアポイントで埋め尽くす。

そしてゆっくりと時間を創り、1対1で丁寧に話を進めていくのだ。

そこにはエレベーター前に立ちアンケートをもらう活動はない。

エレベーター前にいる人に声かけられても、信頼関係はないし、怪しさしかない。

しかし、自分を信頼してもらい、商品を信頼してもらうからこそ生まれる『紹介』には確立した信頼がある。

現代の営業スタイルはこれではないのか。


職域活動は健在している

しかし大手国内生保では、今でも職域活動というのは健在しているのが事実。

上司は入社してきた新人に対して、

「職域は毎日行くものだ」
「アンケート10枚もらってこよう」
「職域活動できる企業がなければ開拓しよう」

と当たり前のように言い続けている。

そして、新人はその指示で戦場に向かう。

大半の人が思ってたイメージとのギャップにやられる。

戦場には行かなくなり、退社を考える。

現実を突きつけられる瞬間であった。


なぜ上司は行かすのか


職域活動の唯一といってもいい利点はある。

それは『行ける』という点だ。

拠点内にいても何も生まれない。

ただ職域という戦場は一定時間の活動許可があるのだ。

『長』として数字を生み出すためには、中にいるより外へ出すことが大切である。

理屈としては正論である。

だから『行ける』職域活動は一つの手段となるのだ。

長らくの既契約者に「どんな経緯でこちらの保険に加入しましたか?」とよく聞く。

そのほとんど答えが、

職場に来ていた生保レディから加入したであるのだ。

保険に加入するきっかけが、職場に来るおばちゃんといったイメージは強い。

実際、昔はその営業スタイルが強かったんだなと感じる瞬間でもある。

だから、昔からいる上司には最適な手段として執着しているのだ。


効果はゼロではなくマイナス


大手国内生保と外資系生保を比較したとき

営業スタイルは対照的である。

はっきりとどっちのスタイルが良いかはわからないが、僕は職域活動の効果は究極に低いと考える。

むしろマイナスにもなってるのではないか。

ただ成果が生まれないだけでなく、退社率を大きく引き上げている要因だと思う。

新人にたまに聞く
「職域に行きたい?」「週に何回言ってる?」

回答のほとんどは
「全く行ってない」「1人じゃ行きたくない」であった。

指示するものと実際に行くものに、大きなギャップがあったら成果なんて出るわけないし

ギャップが生む『嘘』は信頼関係を大きく崩すことに繋がる。

そして『上からの強い圧+戦場のアウェイな雰囲気』は退社率を大きく引き上げているのではないのか。

ただ効率が悪い活動だけならまだしも

加えて、行きたくないところに行かすことによる
攻撃がそこにはあった。

双方からの攻撃により、新人の逃げ場はない。


紹介こそ正義

既契約者へのアフターフォローをメインに、関係性を構築し、自分をアピールする。自分を売る。

そして、保険を考えてる人を紹介してもらう。

紹介してもらったら
・個別にしっかりと時間をつくる
・納得いく形で加入してもらう
・アフターフォローを丁寧にする

これが次の紹介世帯深耕に繋がっていくのだ。

保険営業の楽しさや魅力ってここにあると思う。

良くも悪くも情報量が多い時代になった。

調べれば色々な情報を入手できるようになったが、反対に真実でもない情報も流れる時代になってしまった。

『どれが良いか分からない』が初めに出てきて、それが『どれでもいい』の答えになる時がある。

『どれでもいい』のなら、信頼している人の信頼している人なら信頼できるからその人に聞きたいと思う。

だからこそ『紹介』ってこの情報量の多い時代に強い。 

紹介のサイクルを生むために、日々のフォローを中心とする活動がBestだと思う。


今の会社は『古い会社』であり『古い人』が多い。

だからこのゲームは根付いている。

ゲームセットはいつ訪れるのだろうか。

僕はコンテニューを選ぶことしかできない。





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