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「ライフジャケット」を着けさせるって過保護なの?

毎年1度はいただくの意見の1つが、この「『ライフジャケット』は過保護なのではないか?」という意見です。いろんな言い方でご意見が届くのですが、要約するとこんな感じ。

「ライフジャケット」を着けさせてしまうと、「ライフジャケット」なしでどれくらい身体が浮くのかを経験できないし、泳ぎの能力が低下してしまう。常に「ライフジャケット」を着けさせるということは過保護ではないか?

この意見、みなさんはどうお考えになるでしょうか?

確かに「ライフジャケット」があると、身体がしっかりと浮くので、それしか経験していない子は、外すと思いのほか身体が沈んでしまう…と感じると思います。その状態を経験し、身体が浮きにくいことを理解しておくことは大切だと思います。もう1つ、泳ぎの能力が低下するという話についても、確かにしっかりと泳ぎを習得しておくことは必要なスキルの1つだと思います。水に落ちてしまっても大丈夫なくらいの泳力があれば、溺れることはないかもしれません。

だけど、この意見を聞いて思い出すのは、水泳の元オリンピック選手で今はライフセーバーとして活躍している源純夏さんの、

「どれだけ泳力があっても溺れてしまうことがあります。」

という言葉です。源さんのおっしゃるように、自然の海や川、湖などの水辺では、おそらく、身体がどれくらい浮くかということについて経験し、しっかりと理解していて、泳力がある子も、溺れてしまうことがあるのは事実だと思います。流れがあったり、不意に落水したりしてしまって、パニックになってしまったら、一瞬で溺れてしまいます。この活動をしていて、これまでにいろんな事例を見せていただいてきましたが、ほんの数秒で、いや1秒もかからないうちに沈んでしまうことがあるのが事実です。

だから、個人的には、「過保護だという意見があるかもしれないけれど、一瞬で溺れることもあるので、水辺では子どもたちには『ライフジャケット』は着けることを基本にしてもらいたい。」というのが意見です。

選択肢の1つとしての「ライフジャケット」。

冒頭のご意見ですが、毎年こういった意見をいただいていて思うのが、「ご意見をくださった方の中には、すでに『ライフジャケット』という選択肢がある。」ということです。多分ですが、「ライフジャケット」がしっかり浮力を確保することができて、安心して遊べるツールだということを理解されているんだと思います。「ライフジャケット」を着けさせることの重要性を理解した上で、「着けさせないで水に浮かぶ経験」の必要性を伝えてくださっているんだと思っています。

だけど、水辺に子どもたちを連れていく時に、全く「ライフジャケット」なんてイメージできなかったり、全く知らなかったりする方が大多数だと思います。だから、この活動ではとにかく「ライフジャケット」のことを話題にし続けていきたいと思っています。

みなさんも、まずは「ライフジャケット」を話題にしていただければ…と思います。冒頭のご意見のように「過保護なのか?」という議論も、この議論をする時点で、「ライフジャケット」が選択肢の1つになっていると思います。もしかしたら、それまで「ライフジャケット」のことはあんまり考えていなかったけど、この議論をしていて「ライフジャケット」や水辺の安全について考えが深まる方もおられるかも知れません。

「ライフジャケット」がアタリマエの選択肢の1つになるように…。どんどんみなさんで考えていってもらいたいし、周りの方と話してみていただきたいです。議論していてどんな考えが出てきたか、ぜひ聞かせてもらいたいです。

忘れてはいけない「『ライフジャケット』の着用義務」

個人的に自分の子を水辺で遊ばせる時には、「ライフジャケット」を着けさせるか着けさせないかは、保護者が判断すればいいと思います。しかしながら、忘れてはいけないのは、「『ライフジャケット』の着用義務」。つまり、過保護だと思っても「絶対に着けさせないといけない!」という場面があるということです。

大きくは2つ。1つは、学校や園、子ども会などで管理者として子どもたちを水辺に連れていく時。もう1つは、小型船舶に乗船する時です。その2つについて、少し詳しくお伝えします。

①学校や園、子供会などで子どもたちを水辺に連れていくなら「着用義務」あり

2012年7月20日に愛媛県西条市の加茂川で起こり、当時5歳だった吉川慎之介くんが増水した川に流されて亡くなってしまう…という悲しい事故が起こってしまいました。この事故の裁判で、民事裁判、刑事裁判ともに「ライフジャケットを着用させる義務があった」ということが認定されています。つまり、学校や園、子ども会などで、水辺に子どもたちを連れていく時には「ライフジャケット」を準備する責任があることがはっきりしています。

つまり、もしも学校や園で子どもを水辺に連れていく行事がある時、子ども会で水辺に連れていく行事がある時、「ライフジャケット」を準備しておいて、着用させないと責任を問われることになります。教師や役員として、または保護者として、そのことをぜひ頭に入れておいていただきたいです。もしも、「準備が必要だけど、どこで準備したらいいの?」ってことがあったら、「子どもたちにライジャケを!」まで連絡いただければ、全力で準備のサポートをさせていただきますので、連絡してくださいね。

②小型船舶に乗船する12歳未満の子どもには「着用義務」あり

これは、法律で決まっているので、小型船舶の船長さんにとっては普通のことだと思いますが、知らない方もおられると思います。注意しないといけないのは、小型船舶に乗船するこの場合は、「ライフジャケット」に国土交通省が試験を行って安全基準への適合していることを示す「 桜マーク」が必要になります。

「ライフジャケットの着用義務拡大」(国土交通省)
https://www.mlit.go.jp/maritime/maritime_fr6_000018.html


「過保護なのか?」という議論も、そのほかの議論も、たくさんたくさんできたらいいな…と思っています。SNS等でみなさんに聞いてみることもできますので、もしもご意見やご感想がありましたら、ぜひ教えてくださいね!

最後まで読んでいただいてありがとうございました!ぜひ♡ボタンやシェアをよろしくお願いします。みなさんの応援にめっちゃ励まされております。2022年も、これまで以上に「ライフジャケット」のこと、話題にしていきたいと思っています。発信を続けますので、どうぞよろしくお願いします!

思いはただ1つ…子どもたちの命を守ること。

「子どもたちにライジャケを!」
http://lifejacket-santa.com/

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