日記 2020/03/10 絵本の話

絵本の話。

以前にも書いたかもしれないが、絵本は親としても何回も読むものだから、どうせなら読んでいて楽しい本がいい。さらに言えば、そこまで演技力がなくても子どもの注意力を引きつけやすい内容であればなおいい。最近は、本を読み始めてもすぐに子どもの集中力がなくなって最後まで読みきれないことが多いのが悩みだ。

そんな中でも、高確率で最後まで読める絵本が2冊ある。どちらも安西水丸さんのもので、『りんごりんごりんごりんごりんごりんご』と『がたんごとんがたんごとん』である。


この2冊のいいところはリズムで読むことができるところだ。『りんごりんごりんごりんごりんごりんご』には「りんごりんごりんごりんごりんご」というりんごが転がる擬音が、『がたんごとんがたんごとん』にはその音からも想像できるように電車の進む「がたんごとんがたんごとん」という音がそれぞれ毎ページにある。

この音が大きく効果を発するのは、ページを繰るときだと思う。僕は不器用だから特にそうだが、そこまで紙に厚みがない絵本だと、数ページ一緒に掴んでしまったりして次のページにいくのに時間がかかってしまう。その間に子どもの集中力がなくなって飽きられるのが常だ。安西水丸さんの2冊の絵本では、ページを繰るときにもずっと「りんごりんごりんごりんごりんごりんご」か「がたんごとんがたんごとん」と言うから、ページを繰るのに手間とっている間も物語が続いている間を出せる。子どもは飽きずにずっと絵本を見ていてくれる。

なによりも「りんごりんごりんごりんごりんごりんご」「がたんごとんがたんごとん」と言うのがどれだけ気持ちがいいことか!「ご」と「が」の濁音がいいのだろうか?なんにせよ、読んでいるうちに僕も「りんごりんごりんごりんごりんごりんご」「がたんごとんがたんごとん」のリズムに自然とノッている。「りんごりんごりんごりんごりんごりんご」のリズムなんて、まさにロックンロールだ。『Like A Rolling Stone』である。絵本を開いたら、リチャードマニュエルのピアノが鳴り始め、ロックンロールの世界が始まるのだ!『がたんごとんがたんごとん』は『Mystery Train』だろうか。

『りんごりんごりんごりんごりんごりんご』『Mystery Train』は極めて音楽的、ロックンロールな絵本なのである。娘よ、ロックンロールの世界へようこそ!

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