日記 2021/04/12 グルングルンと目が回る

この数ヶ月ずっとだが、娘は鬼ごっこやかくれんぼが好きで、毎日ようにやっている。 たいていは外ではなく家で、である。

昨日いつものように鬼ごっこをしていると、僕は目が回ってダウンしてしまった。なんせ6畳の和室でぐるぐる回るのだから、小さい円で何周も走り回ることになる。そこまで速く走らないとしても、30秒でも走れば何周することになるかわからず、それだけで見える世界はグルングルンなのである。

目が回ってダウンしていると、娘にどうしたの?と聞かれたので、目が回ってしまったんだよと応えると、めがまわった?と不思議そうな顔をしていた。見ているものがグルングルンと回るんだよと言うと、へーそうなんだと言って、すぐに次の鬼ごっこが始まった(へーそうなんだと言うのは最近の口癖である)。

で、次の鬼ごっこをしてまたぐるぐると回るとまた目が回ってしまい、僕はすぐにダウンした。その前のダメージもまだ残っている状態だったのでしばらくぐったりとしていると、娘は僕と同じように横になり、「パパ、目が回った」と言ってきた。

僕は起き上がることができずに長いことぐったりとしていた。横になっていた娘は起き上がってその場でぐるぐると回り始めた。ぐるぐるバットみたいな感じである。そんなことすると目が回って大変だと思って見ていると、案の定、本気で目が回ったらしく、「パパ、見て、部屋がグルングルン回っている」を目の前を指さして爆笑して僕に示した。パパには君のグルングルンは見えないんだけどねぇと思いながら、なんかこの感じ覚えているぞと記憶を辿っていると、あれだ、傘を手にしたトトロである。雨の雫が傘に当たる音と感触に快感を覚えたトトロがジャンプして無理やり大量に雫を降らせる。その姿とかぶって見えた。

たぶん今までも鬼ごっこしたら目が回っていたのだろうが、昨日初めてその状態が「目が回る」と言うのだと知ったのだと思う。それで目が回る体験を強烈にしたくなり、その場ででぐるぐる回ったということなのだろうと推測した。

目が回っているときの目を見ていて、もう一つ思い出したことがあった。

首が据わって娘と一緒に外出するようになった頃、それまでどこを見ているのかわからなかった娘と目が合うことが多くなった。合っているように見えて僕の勘違いかもしれないと思っていたのだが、駅のホームに立って娘を観察していると、彼女は電車が来るのをじっと見ていた。娘はそれを確実に見ていた。と言うのも、電車がものすごいスピードでホームに入ってきた時、娘の目は電車の姿を捉えようと、黒目がバネのように左から右へ、そしてまた左から右へと移っていたのである。その後娘の顔を覗き込むと、僕の目としっかりと合った。勘違いではなかった。

あれから2年以上経った今、娘は自分で自分の目を回して楽しんでいる。

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