チョコケーキと本屋の話

そういえば先日、なんとなくふらりと
大学生の頃に寄ったのをきっかけに、

それから何度も足を運んだ本屋が
閉店したよ。

南海の難波駅から少し歩いて道頓堀を
過ぎたあたり
ちょっと左に曲がったとこの、
少し階段を降りた先。

そこにあるのが
スタンダードブックストア心斎橋店

チョコケーキも美味しい、

なんだかちょっと特別な本屋さん。

本屋はもちろん地元にもあるし、
都会にもたくさん大型店舗があって
もちろん私もそれらをよく訪れる。

でもなんとなく本屋に行くでもなく、
時間を潰すための立ち読みでもなく、
欲しい本があるわけでもなくて

グッとくる文章とか言葉に出会う為に
通った、そんな本屋さんは
スタンダードブックストアだけやったかなあ
なんて思うから

だから少しだけ特別に思う。
ちょっとの寂しさがある。

多分出会えた本への愛情も乗っけて
天秤は傾いてるけどね!

私はどっちかっていうと
ミステリーとかのジャンル別とか
好きな作家さん別とかよりも
言葉の深さとか言葉遊びとか、
知識に触れられるか、綺麗で、
その一瞬一瞬の感情に
しっくりくる言葉が紡がれてるか
どうかで買う本決めるタイプで

そんな自分でも言葉にできへん基準で
本探すのってむずいねんけど
ぼんやりしつつも絶対的に存在する琴線に
触れる、自分に合う本に出会う瞬間が
スタンダードブックストアにはあった

自分の心とか表現しきれんかった何かが
いついってもあそこにはあるみたいで、
安心する暖かさのある素敵な場所。

そんな感じ。

答えはそりゃあ簡単には
転がってないけど、
いつもなんとなく苦しくなったら
何かを探すために行ったなあ

味めちゃくちゃある飴ちゃんの中から
手探りで好きな味引き当てて、
口の中で転がしてる時みたいな幸せ?
そういう思考にじんわり溶け込むような
暖かさのゆるい幸せがあって
苦しくなくなる気持ちがした

…ただ本好きなだけかもしやんけど笑

でも今もスタンダードブックストアで
買った本たちにはそんな幸せが
溶け込んでみえて、
自分の本棚の中でも
ちょっと堂々として見えるねん

だから行きつけの本屋さんは
もうあの曲がり角になくても、
私の狭い部屋めいっぱいの本棚の角に
これからも日常のありふれた幸せの一部が
見つけられる

まあ欲張りな私に言わせてもらうと
願わくばまたどこかで。
http://www.standardbookstore.com/archives/66305727.html

2019.4.22

ちなみにバリバリの余談やけど
私は本を買うときは絶対に
ラストの1ページを読んでから
買うか決める派で

特に大事なのはラスト1行。

終わり良ければすべて良しとは
限らんしそれは承知の上で、
最後の1行が自分にハマるかハマらんか
って実はめちゃくちゃ大事や思うねん

終わり方がスッキリする、
スッキリせんとかじゃなくて、
胸が掴まれるか、そうじゃないかを
見てる。多分好みやけど〜
掴まれるというか、なんかなあ

目で見て、心の中で反芻したら
溶けて消えちゃうくらいに
自然な1行がラストにあると
もう本棚に返されへんねん

もうこれは私のもんやわあって
まあまあ本気で思う。笑

でもだからあんまりなんの本買ったら
いいかわからんっていう派の人は
最後の1行、見てみるのもいいよと
私は思うのでぜひたまには
背表紙から本、めくってみては?

#日記 #エッセイ

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