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子どもがドアノブを回す瞬間

今でも覚えている瞬間。次女が2歳前後だったかな。当時住んでいた寝室は、和室なのにドアはふすまではなくドアノブのついた扉だった。寝室に布団を3セット敷いて家族4人で寝ていたあの頃。寝かしつけにグダグダ長引く次女を放っておいて、私は私で寝てしまうことが多かった。そのころ、保育園でたくさん遊んで帰ってくる長女(4歳)はコロッと寝ていたと思う。

グダグダと泣いたり歩いたりする中でドアノブに手をかける次女。ドアノブを回して外に出られなかったのが、その日、すっと手を伸ばして静かに開けたのだった。そのドアを。

この日から、寝室とリビングの間や、玄関から続く廊下とリビングの間を自由に行き来できるようになったのでした。これはもしかすると、親にとっては、子どもがハイハイから2足歩行になったことよりも大きな影響があり、満喫していた朝時間も、彼女の早起きによって不意に中断させられることが起こりうるようになったのでした。ドアノブに手をかけて開けた瞬間が、まだ頭に残っているんだよなあ。3年前のことなのに。

そして今、1歳11か月の三女が、その瞬間までのカウントダウンを始めている気がする。ただの時間稼ぎでしかないが、なるべくその時がゆっくりと訪れますように。こう願う時、ほんの少しでも、私は私のスペースを守っていられる時間が欲しいのだな、と気づく。娘たちよ理解しておくれ。

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