見出し画像

幸せがこわい

わたしは都内で一人暮らしをしている。
外で何があっても、家に帰れば必ず一人。

20代の頃はそれがいつもさびしかった。
だから夜な夜な遊んだりもしたし、人の家に転がりこんだりもした。
しかし最近は、人といるのがどんなに楽しくても、家に帰るとホッとする自分がいる。
自分の生活リズムが出来上がって、ひとりの時間が絶対に必要になってきた。

それでもたまに、どうしようもなくさびしくなることがある。
幸せだなぁと思う時間があればあるほど、それがなくなるのがこわくなる。
幸せに浸っていればいいのに、なくなることを心配するなんて、なんて損な性格なんだ。

わたしにとって家とは、現実を知る場所なのだと思う。
人は結局ひとりであるということを、毎日思い知らされている。
わたしはわりと人と過ごす時間が好きだが、ひとりであることを確認してさびしさを感じていないと、逆に不安になるのだ。

現実はこんなものだ、と思いながら、先ほどまで過ごした幸せな時間を、少し歪んだ形で噛み締めながら。これを書いています。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?