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ゆっくり走ること、満たされる気持ち

夕方、雨が降るまえにひとりサイクリング。時々写真を撮ったりしながらまさにのんびりしたペース。16kmの道のり、平均速度は13km。トレイルや冒険的なライドだけでなく、日常的にMTBに乗ることが増え、多くの美しさに気付いたり、幸せを感じることが多くなった。

もちろんドロップハンドルの自転車でより速く、より遠くへ、といったようにある程度の強度をキープした運動をやり切った時の充足感も幸せである。もちろんそうした時間を自分でも積極的に持つ努力もしている。ただ、今はきちんと乗り方の目的とステージを分け、自分がこのまちで暮らす速度、暮らすこの街を改めて見つめたい時にはこのくらいのんびりした速度がちょうど良い。早い速度で見えるもの、感じる風、充足感。そして遅い速度から見えてくるもの、感じること、充足感。そのどちらも自転車とともに感じられる素晴らしいフィーリングだ。

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時代や社会は人も物も情報も感情もスピード感や効率ばかりを加速させ続けている。自分自身も暮らしもその恩恵を多分に受けている。けれど、多くのものを手に入れた反面、もう一つの日常的な緊張感や束縛感、社会のありようや様々なものの関係性の危うさなど、努力していても手に入るものが望むものばかりとは限らない。

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そんな混沌とした日常の中でMTB に乗り一日のわずかな時間でものんびりした速度、時間の流れに身を委ねるとこれが今自分が心地よいと感じる速度でもあると感じる。それは多分ゆっくり過ぎるのかもしれない。けれどもそうした過程は心をどこか解きほぐしてくれるし、無理のない流れで適度にお腹を空かせ、ビールを美味しくさせてくれる。単純なことだけど、とても大切なことだ。

そのゆったりと景色が流れていく様はMTBが僕にくれた充足感の、とても大切な一面である。自分の暮らす街をそんな速度で眺めるとたくさんの美しさに気づく。


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