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アッコとユウとのん

GO!GO!7188が好きだった。GO!GO!7188のアッコとユウは私と同世代。知ってる人が多い「こいのうた」や「C7」「浮舟」もいいけど、後期の「ふたしかたしか」もいい。

30歳目前に発表された曲で、「わからないことって減らないもんなんだな/扉を開けたらまた次の扉があるだけ」という歌詞を聴いたとき、ああその通りだなあと思った。彼女たちと同じ時間を過ごしてきたことを強く感じた曲だった。

ガムシャラに若さに任せていた20代が終わる。いろんな経験してきたはずだけど、わからないことは減らない。前に進むたびに新たな問題が湧いてくる。もっと大人になっていてもいいじゃないか、それなのに。

GO!GO!7188はそのころ、アッコが子供を産むのだけど、その後ユウが脱退を申し出て解散に至る。

女性の人生は何気に選択肢が多い。結婚するのしないの、子供産むの産まないの、夢を追うの現実と向き合うの。自分から選べれば幸せだけど、やむをえず選ばないといけないこともある。自分のためかだれかのためか。迷いは多い。

高校の同級生だった2人が、解散ライブもせずに別れてしまった。

アッコの率直な等身大の歌詞とユウのエッジの利いた音楽が化学反応を起こして、心に残る作品がとてもたくさんある。いまでもたまに聴いている。カラオケでも歌う。

それぞれのソロや、バンドでは何かどこか物足りず、2人から生まれる作品が好きだったのだと改めて実感する。

コロナ流行前のこと。アッコとユウが、のんに楽曲提供するとネットニュースで見つけた。のんはずっとGO!GO!7188のファンだったらしい。

特に「ナマイキにスカート」が好きだ。メッチャクチャかわいい。提供3曲目のこの曲が一番、GO!GO!7188っぽい。

なんかこう。女性であることを卑下しないで生きられたらいいなあと思う。女性であることを楽しんで、スカートを揺らしてフワフワしていたい。誰かのためじゃなく、自分のために。

私が高校生だった90年代後半は、コギャル世代とも言われていて、女子がとても強かった、らしい。渦中にいたから、こんなもんだろうとずっと思っていた。

私の周辺では、少し背伸びをしても女子も強くあろうぜ!みたいな価値観が広がっていたように思う。安室奈美恵とか椎名林檎とかね、聴くつもりがなくても聴こえてきた。細い眉毛や目の周りが真っ黒なパンダメイク、厚底ブーツで人殺せそうでしょ。

まあ、大人になるにつれて、幻想だったんだなあと気付かされ(幻想だからこそ、強くあろうとしたのだろう)、それもまた若干後退しているような気がしないでもない。

でも、あの頃の気持ちが根本にあるから、40歳過ぎたいまも独りで生活できるのだと思う。いろんな人たちの言葉に励まされ背中を押されて生きてきた。GO!GO!7188からも大きく深く影響を受けていることは間違いない。

歌うのんを見て、あははと励まされた。アッコとユウの才能をまた結びつけてくれた。

精一杯強がっていた私たちの10代、20代を糧に、いまの20代が歌ってくれている。カタチにしてくれている。ありがとうとしか言葉にならない。

本名で芸能活動をすることを奪われた女の子が、アッコとユウの作った曲を歌っているのは最高にロックだ。YouTubeで見かけた、「この世界の片隅に」のアニメすずさんが歌う「C7」もクールだ。ちょっとずつでも強くなれたら。

かっこいいよねえ、のん。

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