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私の疑惑
会社の人間関係で不信感MAXだったころ、伊達眼鏡をかけようと思った。見えない振りでやり過ごそうと思った。普段はコンタクトレンズで、左右の見え方に差があるので眼鏡は主に家専用。コンタクトをしたまま、眼鏡をかけられないかと思ったのだ。
最初は適当に雑貨屋さんで売ってるようなサングラスを選んだ。ガラスに色の付いてないやつ。でもあれって、顔の幅を合わせられないから痛くなってしばらくしやめた。
次はちゃんと眼鏡屋さんに行った。度無しの眼鏡にしよう。その時立ち寄った眼鏡屋さんが、バーバパパコラボの眼鏡を販売していた。私はこういうキャラものに弱い。
バーバベルをイメージした紫色の丸眼鏡を選んだら、可愛すぎて会社にかけていくのがもったいないと感じて、オシャレ用になってしまった。
それから環境が変わったので、仕事中の伊達眼鏡は保留に。
それから2年。また伊達眼鏡の必要が出てきた。
世の中には、HSPという特性の人がいるそうで、もしかしたら私はそれかもしれない。ハイリーセンシティブパーソン(Highly Sensitive Person)の略。ザクッと言うと「繊細な人」。
なんとなくそうかなと検索してみると、眼鏡で情報遮断という対策が紹介されていた。音にも敏感だから、イヤホンを持ち歩くといいという対策も。電車に乗っていると、カンに触る声に出くわすことがあるので、最近は常にヘッドホンを持ち歩いている。
アクセサリー類はくすぐったくて、ほとんど付けない(全く付けられないわけでもない)。子供の頃、赤白帽のゴムを被らないで首にかけておくのもダメだったなあ。他人の顔色を伺うのが得意なのは末っ子だからだと思っていた。
HSPはなんぞや、と調べる前から自分なりに対策をしていたようだ。
昔から繊細な人と言われることが多かった。私自身は鈍感で、気が利かず他人を傷つけていることが多いと思っているから、私の何を見てそう思うのか謎だった。なんなら「面倒くさい人」と遠回しに言われているようにも感じていた。だから、あまり認めたくなかったんだけど。
HSP当事者が描いた漫画を読んでいると、思い当たる節が多すぎる。これは、認めなくてはダメなやつかもしれない。疲れたり傷付いたりするのはイヤだもの。見た目が強そうだから、あまり配慮してもらえなくて大変な思いをしてきた。
他人さまとの関わりに、とにかく疲れてしまう。例えば、電車で知り合いに気付いても心の準備をしないと話しかけられない。人と関わるには「スイッチ」がいる。決して人嫌いではないんだよ。
他人さまに腹を立てると「いや私だって欠点あるし…」と、腹を立てている私をなだめようとしてしまう。でも腹立つ、でも…でも…でも…でまた疲れる。考えるのをやめたい。やめられない。
「頭の中が何かとうるさい」という発達障害かと疑っていた時期もあるんだけど、HSPのほうが自分に近い気がする。
新しい伊達眼鏡は、ブルーライトカットにしてもらった。うっすら黄色い。いきなりなぜ眼鏡?と聞かれても、「最近、疲れ目がひどくて」と言い訳ができる。早速、きょうはそれで仕事をしてみた。
おかしい、いつもならわかりやすい変化にツッコミを入れてくるおじさんが、眼鏡に触れてこない。
もしや。老眼鏡だと思われている…?
それはそれでいいか。診断を受けたわけではないけどHSPだったとして、いまの私があるのは、そういう気質だったからと言える。一般的にはそうは思われない生い立ち、人生だとは思うけど、それなりに楽しんで生きている。あまり嘆くことでもないとわかっているけど、疲れなくてもいいことはスルーしたいのだ。
※ヘッダーの写真はこのたび購入した眼鏡にしかけたのですが、身バレする可能性に気付いてやめました。写真はバーバベルとドラえもん。ドラえもんは度付きで家の中でしか掛けていません。キャラもの好きな40代。ひとつまえのノートも愛猫の写真を使ったけど、これも身バレしやすくなることに気付いてやめました。これもHSPの気質…ですよね?
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