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子どもを寝かしつけるための創作話(なるほどトムボーイ)

こちらは小2の子を寝かしつけるための創作話を備忘録的に書いたものですので、あしからず。

なるほどトムボーイという小学5年の男の子がいました。

なるほどトムボーイの口癖は「なるほど、なるほど」です。

学校の帰りに杖をついたおじいさんがよろける姿を見て「なるほど、なるほど」

信号を渡れないおばあちゃんを見て「なるほど、なるほど」

風船を木にひっかけて泣いている女の子を見て「なるほど、なるほど」

と言いながら家に帰りました。

夕食の時間、なるほどトムボーイはお母さんに学校の帰りに起きたことを話しました。

「僕ねぇ、いろんなことを見てなるほど、なるほどって思ったんだよ。」

するとお母さんは「そう、いろんなことを見てなるほど、なるほどって思ったのね、それは素晴らしいことね。」

「じゃあ、なるほど、なるほどって言った後に今度は、ようし、ようしって言ってみてね。」

と言いました。

「ようしようし、だね。わかった。」

次の日、朝学校に行くときになるほどトムボーイは女の子が上級生にいじめられているのを見ました。

いつものようになるほどトムボーイは「なるほど、なるほど」と言いました。

そしてお母さんに言われたように「ようし、ようし」と言ってみました。

すると次の瞬間なるほどトムボーイは女の子を助けていたのです。しかし、女の子は泣いています。

泣いている女の子を見て「なるほど、なるほど」「ようしようし」と言うと女の子はしばらくすると泣き止みました。

次に横断歩道を渡れないおばあさんがいました。

またなるほどトムボーイは「なるほど、なるほど」と言った後に「ようし、ようし」と言いました。

するとおばあさんの手を取って手を上げておばあさんを道の向こう側まで連れていきました。

学校についたときになるほどトムボーイは転びました。膝から血が出ました。

「なるほど、なるほど」と言った後に「ようし、ようし」と言いました。

そして泣かずに保健室まで行きました。

夕方、いつのようにお母さんにその日の出来事を話しました。

「お母さん、なるほどの後にようし、ようしって言ったら何か知らないけど人を助けたり、泣かずにいられたよ。なんでだろう?」

「それはね、ようしようしは…、ようし!ようし!って自分を励ましたり、良し良しって人をいたわったりする力があるからよ。」

「そうか、ようしようしはようし!ようし!か。それと良し良しか。なるほど、なるほど、ようしようし。」

「そうよ、なるほどなるほどようしようしよ。」

お母さんはにっこり笑いました。

ちゃんちゃん。

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