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今日、カナダにいる友人が、ある話をしてくれた。
友人と言っても、その人はもう60歳を過ぎているのだけど。
その人のお父さんが、昔、ガンになり、あと1年くらいの余命だと言われたときのこと。

友人は、お父さんに、そのとき気持ちをたずねたのだそう。
するとお父さんは、
「大丈夫。空は、変わらず青いし、木々は、変わらず緑だから。」と言ったそうです。

そのとき、もう90歳だったお父さん。
「きっと、20代のときに見た色と、いま見てる色は同じってことだろう。空の色や木々の色なんて、年老いたらどうでもよく色あせて見えると思ってたけど、お父さんにとっては、そうじゃなかったみたいだ。」
そう、友人は話してくれました。
もう、きっと少し昔の話なんだろうけど。

色で思い出したのが、もうひとり、私の後輩が教えてくれた話。

その後輩は、昔、付き合っていた人とお別れした。
通っていたピアノの先生のところへ、いつも通り行ったら、最近のことを尋ねられたので、失恋したことを伝えたそう。

そうすると、その先生は、
「空は、青く見えましたか?」
と、尋ねたそうです。


きっと、空は青く、木々は緑に、ハイビスカスがピンクに、夕焼けがオレンジに、入道雲が真っ白に、ひまわりが黄色に、そう見えるのは、生きているということ。

その色に気づいて、心が少し動くということ。

鳥の鳴き声、パンのにおい、雨の音。

あぁ、今日も生きてるなぁ〜

そういうこと。
きっと、そういうこと。

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