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「失う」という経験

2021年が始まりしばらくして、自分自身を揺るがす出来事に直面した。

突然、仕事を失うことになった。

失わない選択肢もあったけど、会社を去るということは直ぐに決めた。仕事内容、雇用条件、働く環境...年齢を重ねた上での再出発は、決して簡単ではないだろう。突然のことに遭遇してぐちゃぐちゃな頭の中でも、この会社にはもう居たくはないことだけは明白だった。どんなに理性的に考えようとしても、最後に自分を動かすのって結局、感情なんですね。

同時期に、プライベートでも大きな衝撃を受ける出来事が起こり、心の拠り所としていた人も失った。これらを受けて弱りきった私は、生まれて初めて心療内科を訪れることとなった。毎日仕事をして週末に休む、という日常から突然身も心も切り離されたような感覚だった。自分ってもっと、強いと思ってたのになぁ。この時は、大したことないと思えなかった。真面目なんです。

これまで、企業で採用や教育を仕事としてきた。仕事によってお金だけでなく人とのつながりを得て、成長もさせてもらえた。人と向き合う仕事は、自分にとって本当に大切なものだった。恋が破れてぼろぼろになった時も、仕事でまだやれることがあるということに救われてきた。失って初めて、仕事に逃げてきたのかもしれないことや、組織に属して働くことを当たり前のように思っていたことに気づく。

朝起きる度に、どこにも所属しておらず肩書きもない自分。一人であることを再確認する。喪失感と同時に、ここからまた立ち上がっていかなきゃいけないんだと、焦る。社会に出て、初めての無職。私ははっきり言ってテンパっています(今も)。生きることに必要なお金を計算し、この家にいつまで住めるかを考える。お金を稼がなければ。これまでに2回、転職はしてきた。「大丈夫。それが自分のタイミングじゃなく突然やってきただけ」何とか自分を励まし、傷を癒し、少しずつ動き出せるまでには4ヶ月ほどを要した。

2021年上半期の激動で、私の価値観はまるで変わった。持っていると思っていたものの大部分は幻想だったことを知ると共に、手元に残っているものの存在も感じている。これまで欲しい、価値があると思っていたものはすっかり色褪せて見え、映画や音楽、何気ない人の温かさに心が揺さぶられることが多くなった。このnoteには、年齢を重ねた私が、新しい自分でもう一度社会に居場所を見つけていく過程を残していきたいと思います。

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