見出し画像

マキシマムザホルモンのフランチャイズ化に学ぶ、これからのコミュニティのあり方

二十歳の頃、「恋のスウィート糞メリケン」をカラオケで歌った友人がおり、それをきっかけに僕はマキシマムザホルモンを知りました。インパクトがめちゃめちゃすごかったことを覚えています。何言っているのかわかならいけど語呂がいい。メロディもパンクだけどどこかポップ。マキシマムザホルモンにめちゃハマりしてかれこれ二十年近く経つわけでございます。

そんな彼らが昨年、フランチャイズ化を発表しました。ロックバンドのフランチャイズ化って何ぞや!?インパクト絶大でした。彼らはこの発表とともに、2号店のオーディションを始めました。腹ペコ(※マキシマムザホルモンファン)にとってはたまらない展開ですね。

YouTube公式チャンネルで公開されていますので、気になる方はこちらをどうぞ。

マキシマムザホルモンのフランチャイズ化を知った時、正直「面白い!」と感じました。バンドのフランチャイズ化なんて発想があったのか、と。そして今年になって動画の新シリーズが公開され始めました。

「2号店ニューシングル発表とメンバー入替え」です。まだ連載中なので続きの動画が毎週更新されるのですが、これを見て、ホルモンがやっていることって僕がこれから目指したいコミュニティのあり方だなと感じたのです。


マキシマムザホルモンのフランチャイズ化とは

まずは、マキシマムザホルモンのフランチャイズ化とはどのようなものなのかをまとめたいと思います。
マキシマムザホルモンは四人組のバンドで、かなり激しめの音楽性とユニークなライブパフォーマンスが人気です。僕もデビューアルバムから全て買い揃えております。しかし、妻には「うるさい」と一喝されるので1人でコソコソ聞いています。

フランチャイズ化、つまりマキシマムザホルモン2号店を作るにあたっての条件がスープ(マキシマムザホルモンの楽曲)を伝授(使用とアレンジ許可)し、暖簾わけするので独自の味を提供して欲しいというもの。そこでとてもとても面白いオーデションを開催し、五人の2号店メンバーを結成したのでした。本店にはないDJというポジションがあるのも独自色があって面白いポイントです。


ブランド力も上げつつマネタイズもガッチリ

そもそも、フランチャイズ化企画は新型コロナウイルス感染拡大前に行われたものでした。当然、コロナ禍を見越してというわけではないのでしょうが、コンテンツの多様化を図ったものと思われます。

それも他のアーティストのように単純にPVを公式チャンネル化するのではなく、番組企画としてかなりしっかり作られているのが面白いところ。番組の構成が単純に面白く、交友関係にあるメジャーアーティストも多数出演していることから、従来のファンのみならずしっかりと新規の視聴者のハートも鷲掴みしているように見えます。

マキシマムザホルモンは基本的に古い楽曲のPVをYouTubeにアップしたり、アマゾンミュージックやアップルミュージックなどのサブスクでの楽曲提供をしていません。事務所契約など大人の事情もあるのかもしれませんが。。
しかし、次々とサブスクや動画コンテンツ化するアーティストの中で、自分たちが「秘伝のスープ」と語る音楽を安売りしないのは価値を守るというブランディング戦略としては決して間違いではありません。

それどころか、自分たちの強みである「トーク力」や「企画力」を十分に活かし、楽曲もオーディション参加者の演奏にとどめた結果、本店(マキシマムザホルモン)の味を確認したいと思わせる戦略になっているのです。

自分たちをブランディングし本業である音楽への興味を持たせつつ、動画再生でさらに収益を確保する。まさにマネタイズもガッチリな構造です。
しつこいようですが、本編はこちらです。

僕はただのいちファンであり、動画再生回数アップを目指しているわけではありません。


2号店が解散!?それぞれの暖簾を掲げる意味

今年の秋になって、新シリーズが公開され始めました。僕がワクワクしながら動画を見ていくと、
「2号店のニューシングル発表!これがラストシングル」
というセンセーショナルな見出しが!
え?あれだけ大々的にオーディションしておいて一年足らずで解散しちゃうの!?と衝撃を受けたのですが、実際は一部メンバーの交代になるとのこと。それすらもなぜ?とクエスチョンマークがつきました。

技術的に拙い?

それともバンド活動をしてみて華がない?

プロデューサーであるマキシマムザ亮くんの意図はもっと深いところにありました。残留が保留となり、試練を課されることになったメンバーの共通点は、「自分の暖簾がない」という点。他の残留が決定したメンバーは、2号店の活動の他に、自分のバンドを持っていたり、ソロ活動をしていたり、自分自身の暖簾を引っ提げてしっかり活動していたのです。

ここから先は

2,686字

¥ 250

ありがとうございます!これを励みに執筆活動頑張ります!