死にかけた Part2

第2段です。

今回は交通事故。
バレンタインデーでした。
自分で言うのもあれですが、どちらかと言うと尽くすタイプの私は彼女と会うため自転車で駅に向かっていました。
まぁ気分はウキウキですね。バレンタインデーではいつも男のわたしからも贈り物を渡していましたが、今回はなかなか手に入らないチョコ菓子だったので喜ぶだろうなーと思い浮き足たってました。

私は家を出てすぐの大きな通りで信号待ちしていました。反対側で青の信号の方は交通量が多く、進みが悪いのでかなり詰まっていました。信号が変わり走り始めると前方に、詰まっていた車が交差点まで
列をなしていました。邪魔だな、詰まってるんだったら突っ込んでいくんじゃないよ!と毒づきながら車の隙間ぬって進むと、奥の車線の車が急に走りはじめました。慌ててブレーキをかけましたが時すでに遅し。ドンというと衝撃音を鳴らしながら見事に轢かれました。
当たる瞬間はスローだったのか、あーこのままではぶつかるな〜、けど止まらないししょうがない。まぁスピード出てないから大丈夫くらいの感じでしたが、実際に当たった瞬間体が浮き上がり3メートルくらい吹き飛びました。なんとか着地をしましたが、運悪く前方に止まっていたトラックの荷台頭を打ち付けてしまいました。
幸いおでこだったので意識はありましたが、瞬間はかなり痛かったです。すぐにアドレナリン全開になったので痛みは消えました。
とりあえずその場にいる訳にはいかないので、交差点を渡り切ったところで呆然としていました。
すぐさま運転手が出てきて私の状態を聞いてきました。意識もはっきりしていたので、とりあえず運転手に対する悪意しかありませんでしたが、質問には淡々と答えていました。救急者が来るまで膝で休んでくださいと言われましたが、まだ若かった私は何が悲しくておっさんの膝枕で休まなくてはいけないんだ?というよく分からないプライドから断固拒否しました。
時間帯が昼だったこともあり、あっという間に周りには人だかりが出来ていました。心配する人、無視する人、よく分からない罵声を運転手に浴びせる人等様々な人がいましたが、ほぼ全ての人が私をみて一瞬ひいた顔をしていました。そんなに変な顔はしていないと思っている私は轢かれた怒りと、訳の分からない周りのリアクションにさらに怒りが増していました。
少しして、小さな男の子が近寄ってきてハンカチを渡してきました。ありがとうと受け取ったものの何故?という感じでした。戸惑っていると一緒に母親がそれで血を拭いてください。と声をかけてきました。ありがとうございます。と改めて返事をし、世の中イイ人もいるもんだっとほっこりしていたのも束の間、今血って言ったよな。「血‼️」ってなんだ‼️慌ててぶつけた箇所を触るとおびただしい血が額から流れていました。よく見ると服は血だらけで、足元にも流れていました。一瞬意識が飛びそうになりましたが、なんとか堪えました。しかし急にフラ付きはじめ、このままでは意識が飛びそうと思い、運転手のおじさんの膝枕の上におさまりました。
結局冷静にいたと思っていた私は正常な判断が出来てい無かったのでした。
救急車がくるまでどれくらい経ったのか?その後どうしたのか?詳細はあまり覚えていませんが、今でもおっさんの膝の柔らかさと温もり、ブルブル震えているおっさんの手、おっさんの鼻から飛び出ている鼻毛だけははっきり覚えています。
それからいつ何があってもいいように鼻毛だけは綺麗にしています。

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