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スリランカを旅したとき、紀元前に栄えた王都アヌダープラをたずねた。あまりガイドブックにはのっていないが、素敵な場所がある、といってドライバーのサマンが連れて行ってくれたのは、巨大な岩石が重なり合うように積みあがる遺跡であった。ここは、紀元前から僧たちが瞑想をする場所であったらしい。僧たちが座る場所には、わずかにくぼみができている。

ここに2000年以上の間、どれほどの僧たちが静けさを求めてここへやってきたのだろうか。そこに、人の生と死の輪廻転生を垣間見た気がした。そして岩たちは、微動だにせず、ずっとその入れ替わりを見守り続けている。はるか太古よりただ存在している岩と、私たち人間たち。その存在の理由について深く考えさせられた。

存在するということは、様々なものとのに関わりあいの中で、相互に影響し合うということであるように思う。私たちは、日々のくらしの中の小さな選択で、様々な人やものや環境に、何かしらの影響を与えている。それは、大げさにいうとこれからの未来を決めているということでもある。

アメリカの先住民族であるインディアンは、ある重要な決定するときには、かならず7世代先の未来に与える影響を想像してから決めるそうだ。7世代先とは、年数にするとおよそ200年後のことである。200年という未来を想像するのは、容易なことではない。今から200年前の江戸時代の人々に、現代の生活は到底想像できなかったであろう。ただ、幸いイマジネーションの力を与えられた私たちは、200年後どんな世界になっていたらよいのかということを思い描くことができる。

あなたは、どんな世界に住みたいだろうか?

その思い描く世界のために、日々のくらしでできることを一つ一つ実践しながら、私たちが次の世代に何をつなぐ役割なのかを探求していきたいと思う。

これからのくらしのための今日のくらしの実践者として、書くという表現者になり、自分の軸をしっかりと塗り固めていきたい。

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