2023年、9月10月の観ておきたい作品ズ
なかなか更新できず。
すみません
とは、これまたなかなか、思えてはいないのですが。
最近映画の話が出来ていなくてつまらないな
とは、思っています。ので1ヶ月遅れはしましたが更新してみました。9月作品の幾つかはもう鑑賞済みなものも。
ここは数行だらだら話していいところ、としているので
早速の私事ですが、今月から、なんでもない日に有給を取ることにしました。
なんの予定もなく、別に撮らなくてもいい心づもりのカメラを持って、特に遠出はせず、あんまり意味のない有給休暇を、取ることにしました。
今日はそんな無駄日、記念すべき1日目です。
でも、そういえば、私の無駄日が誰かのナイス映画発掘に繋がっていたら、それはそれで無駄じゃなくなってしまうのでは?と気づきましたが忘れます。
9月、10月の「絶対に観にいく」2作品
月に一回、映画館に行く生活がしたい人向け
・アステロイド・シティ 9/1公開
ウェスアンダーソン監督最新作。秀才キッズ達がコンペティションのために集まった小さな街に宇宙人が飛来してなんやかんやするストーリーの本作。ウェスアンダーソンらしさのゴリ押し感は前作「フレンチディスパッチ」のほうが強い印象。
扱われている年代がウェスアンダーソンにとってどんなふうに見えているのか、そういった視点を持って見てみるとまた別の面白さがある。
勿論、単純にウェスアンダーソンの作風を楽しむ観点でも。
・ザ・キラー on NETFLIX 11/10 一部劇場 10/27公開
デヴィットフィンチャー監督の最新作。
配信作品ながら、Netflixのメイン作品は配信の前後短期間だけ劇場公開するので確実に抑えておきたいところ。
サスペンススリラー×デヴィットフィンチャーというだけで、ファンとしてはワクワクが止まらない中、とどめの「主演:マイケルファスベンダー」。
最近だと「X-MEN」シリーズのマグニートー役で名が知られる彼が演じるスマートかつ冷酷な暗殺者が、フィンチャー作品の中で暗躍する姿が楽しみこの上ない。
以下、関係ない小言。
フィンチャー好きを公言すると、一部シネフィルの間では「にわか」のような形で冷めた目で見られることがある。多々ある。
『映画好き、で、1人目がフィンチャーって笑』のようなことを言われても、マンクにしろマインドハンターにしろ、あんなものを観させられては魅了されないほうが無理なので気にしないで欲しい。
私も一番好きな監督は、3人くらいでローテするが、常に1人はフィンチャーである。
9月、10月のおそらく観にいく、期待の作品リスト
月2〜4(年間で24〜50本)の新作を映画館で観たい人におすすめ。
・兎たちの暴走 8/25 公開 👀👀👀
1本目から8月公開作ですが、広く観られてほしい1作だったの紹介。
ストーリーはかなりショッキングな実話をもとにした母娘の物語。その中で垣間見える中国社会の急速な発展と影を、中国人監督ならではの説得力と厚みで表現する。
脚本は「シャドウプレイ」に共同脚本として参加していたチウ・ユジエが担当しており、スムースながら明暗のコントラストのあるストーリーで最後まで楽しめるのも納得。監督のシェンユーについては初めて知ったのですが、好きな監督はポン・ジュノとフィンチャーということで、この作品の構成の繊細さや音響効果の重要性の高さもその辺りから来ているのかもしれない。
親子関係に焦点を当てた作品の流れは、欧米からアジアへ続々と名作とともに広がっていますが、中国におけるそれの中では随一ではないかと思う。
・福田村事件 9/1 公開 👀👀
夏の終わりに邦画から最もハイコンテクストな作品が出てきたと言ってもいいかもしれない。
大まかなストーリーについては読むだけでもショッキングかもしれないので、興味のある人はトレーラーを観て知って欲しい。
森達也監督による過去日本で起こった「福田村事件」の映像化作品である本作だが、観る前に特に抑えておきたいことは、これは映画であるということ。
今年の前半には、「SHE SAID」のような実際の出来事を追いかける形式の作品がいくつか目立ったが、(「母の聖戦」のように意図的にドキュメンタリー調のものもあった)これらもまた映画としてその作品の質の高さが光っていた故に、表現したい内容の厚みがもたらされていた面がある。
福田村事件においても、ドキュメンタリー映像ではなく映画なのである、ということを念頭に色々な角度から思考を巡らせられれば得るものも変わるかもしれない。
・ほつれる 9/8 公開 👀
「わたし達は大人」の加藤拓也監督最新作。主演は「あの子は貴族」の門脇麦とくればその相性に興味が湧かないわけもなく。
時間も84分と短めなので仕事帰りなどでも観に行ってほしい。そしてできれば「ほつれる」の意味などについて感想を話し合いたい。
・ダンサー イン パリス 9/15 公開 👀👀
公開日、劇場がパンパンになっていた本作。
恋も仕事も、一気に全て失った若き女性が、新しい人生を見出していくまでのヒューマンドラマ。
ひとえに「失敗」そして「再起」、というよりは人生の視野を引き戻してくれるような、そんな温かさをベースにしつつも、観る人の共感を誘い、没入させる現実や感情の描写の連続が作品の強度を高めている。
エリーズを演じるマリオン・バルボーは、本作が俳優としてデビュー作らしく、元々バレエダンサーとのこと。
こういった作品ができるまでに、どんな過去があり、どういった人々が参画し、どんな目的を持って制作に向かっているのかも調べてみると映画の解釈が広がるだろう。
・伯爵 9/15 配信 on NETFLIX 👀👀
実在したチリの独裁者「アウグスト・ピノチェト」がもしも吸血鬼だったら。
テーマの観点、タイトルの潔さどれをとっても興味がそそられ、公開が楽しみだった本作。
当時のチリでは実際に粛清・汚職を背景とする行方不明者や死者が続出していたそう。これを吸血鬼の仕業としながら、ある種コミカルに皮肉っていく作品のエネルギーにうならされる。
現代における恐怖とは何か、富にしがみ付く人間達の存在やその恐ろしさ、搾取される社会の様子などを痛烈な風刺と表現力で訴えかける作品。
アートムービー的な受け取り方もできるが、「映画を観る」ということに関する視座や知識が少しでも蓄積してきたかもしれないと思う人には是非観てほしい。芸術的な視点に留まらないメッセージが見て取れるかもしれない。
・熊は、いない 9/15 公開 👀
「イラン社会と人々との関係を描き続けてきたジャファル・ハナヒ監督の集大成が完成。しかし本作発表後、パナヒ監督はイラン当局によって収監された。」(公式より抜粋)
上記の衝撃的なメッセージが目を引く本作。ヴェネチア国際映画祭で審査員特別賞を受賞した一作であり、同監督は過去作もまた継続的に高い評価を受けてきた。
そんなパナヒ監督自身が、ある小さな村で起きたトラブルに巻き込まれることで、主演として務めることになる。イランの現状は日本からはなかなか見えづらい。ただ、「母の聖戦」などがそうであったように、地続きの世界のどこかに存在する現実を、映画を通し、まずは知ることが、我々にとってのスタートになる。
本国イランでは上映禁止ということもあり、気を逃さず劇場に行きたい。
・Fair Play フェアプレー 9/29 配信 on NETFLIX 👀👀 ※9/29より劇場公開あり
同僚として働くエリートサラリーマンの2人。最高の生活の中で、片方のみが昇進を果たすことで崩れだすパワーバランスをきっかけに全てが急降下していくストーリー。
人々がそもそもどんなことを見ないようにしながら幸せになり、何を前提に無意識のまま生活を回しているのか、それのうちの何かが急に目の前で可視化された時、どうなってしまうのか。
最高のトレイラーのせいで観に行かずにはいられないが、観たら確実に私はぶっ飛ぶ気がする。来月の価値観が変わっていたらこれのせいだろう。
9月の終わり文句なしのイチオシ作品。
・コカイン・ベア 9/29 公開 👀👀
スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダー・バース」制作スタッフによるパニックアクション。こういう作品を勧めるのは珍しいようで、実は結構好きだったりする。そもそも「B級」という映画は世の中に存在しないと思っているし、排除すべき慣習とすら思っているが、パニック系の作品は時折(これは、)と思う制作陣が入っていたり、新しい表現を見せてくることもあり、先入観で軽率に避けるのは勿体無い。
ちなみに監督は2020年版「チャーリーズエンジェル」や「ピッチパーフェクト」シリーズを務めたエリザベス・バンクス。トレイラーを見る限りでも、彼女の新しい挑戦を楽しむことができそう。
(公式サイトのゲームが楽しいので是非やってほしい)
・くるりのえいが 10/13 公開 👀
日本の音楽史やポップカルチャーを読み解いていくには「くるり」を通らずにはいられないと個人的には思っている。
学生時代も社会人になってからも、色々な人が色々な出会い方でしったであろうこのバンドについて、今一度向き合ってみるのも良いだろう。
ちなみに本作、映像作品としてもなかなか骨太らしいと小耳大耳に挟んでいるので期待は大。
・鯨の骨 10/13 公開
「ドライブ・マイ・カー」の脚本を務めた大江崇允の監督作品。
現実とネット世界の境界が曖昧な世界観の中で繰り広げられるミステリーということで、個人的にはあまり得意(というより知識がない)ではないテーマなので不安もあるが大江監督作品ということで楽しみな一作。
あのちゃんを90分間観られるだろうか。
・キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン 10/20 公開 👀👀👀
10月のメインといっても良いであろう一作。マーティンスコセッシ監督最新作にして、ディカプリオとのコラボ。
スコセッシでももうディカプリオ呼ばないとやり続けられないのか、などの邪推もしたくなるが、一旦置いておこう。
脚本はスコセッシとエリック・ロス(「フォレスト・ガンプ」などの脚本を務める)と、製作陣・出演陣いずれも豪華に豪華を重ねたような布陣。
観には行くだろう。確実に。ただ、猛烈に気に入らない一作になる可能性も秘めている。それでこそ、楽しみさに拍車もかかる。
(そもそもフォレスト・ガンプ全然好きじゃないし)
以下、個人的な興味で観に行っているであろう4作品
前作「逆光」で監督デビューした須藤蓮の新作。今作も渡辺あやとの共作ということでタイミングが合えば。
個人的に好きな建築家でありインテリアデザイナー「アルヴァ・アアルト」の映画ということで、好きを深めるためにも。
今泉力哉には、気持ちが離れそうなところを前作で再びやられたので今回も観に行くと思う。とはいえ漫画の実写化かぁ、という感じもしているので見過ごす可能性もある。
原作がたまらなく好きなので。西村ツチカ大好きです。本当に色んな人に共有したい。
おしまい。
グランツーリスモとかイコライザーとかアリスとテレスとか、そのあたりはこっそり観てきます。
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