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手帳類図書室

《手帳類図書室》というものをご存じの方はどれくらいいるだろうか。
私がこれを知るきっかけになったのは先日放送されたとある番組であった。BS1で放送された『地球リアル 手帳類図書室~400冊の心の内、貸します。~』という10分ほどの短いドキュメンタリーである。


この《手帳類図書室》には個人によって寄贈された日記帳やスケジュール帳など様々な手帳類が保存されており、1時間1000円で自由に閲覧することができる。


番組内では、デザイナーをしているという女性が同じくデザイナーの寄贈した手帳を読む一幕がある。自分と同じ職業の人はどんな生活をしているのか、何か参考になることがないか、とのことであった。実際に手帳を開いてみると、美術館のチケットが貼られ、展示に関するコメントが書かれたりしているが、それよりもその展示を見に行ったときに食べたものについての方が事細かに書かれていたらしい。手帳を読んだ女性は少し意外といった反応だった。おいしいものを食べること、これもそのデザイナーにとって活力の源となっていたのかもしれない。


もう一人、私が面白いと思ったのは、ある男子高校生がつけた日記である。これはその男子高校生が高校3年間にわたる自分の恋愛模様を自伝的に綴った、4冊にもわたる超大作である。3人の女子に片思いをし、告白したりフラれたり、前に片思いをしていた人をふと思い出したり。これは私の中にある日記の概念を覆した。日記は毎日違うことを書かなくてもよいのだ。テーマをひとつ決めて、それに関することの次第を少しの誇張表現も加えながら書き留めていく。さらにこの日記の面白いところは、手書きであるがゆえに、文字の大きさで感情を表現していたり、あとで気持ちを整理して書こうと思っていたであろう空白のページが突如現れたりすることだ。紙のノートに鉛筆やペンで自分の気持ちを文字で書き留める。何でもないようで実は意外と身近な感情表現方法なのかもしれない。


そんなこんなであっという間に10分が過ぎていった。《手帳類図書室》に置かれている手帳たちのように、何度も見返したくなる番組だった。番組を見ているうちに、「自分も手を動かして文字を書きたい」という衝動に駆られた。日記をつけていつか手帳類図書室に寄贈しようかとも思ったが、自分で書き留めるだけでは続く気がしない。そこで前々から気になっていたnoteに目をつけたのである。これならば日常のふとしたことや、ずっと考えて煮詰まりすぎていることを書き留められるし、何より他の人が書いた記事も読める。日記のように毎日書かなければならないという強迫観念もない。noteの正しい使い方とは異なるかもしれないが、自分なりにいろいろと書いてみたいと思う。


手帳類図書室に興味をもった方、以下にリンクを貼っておくのでぜひ。
https://techorui.jp/

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