あまいお菓子とお茶の一杯を誰もが味わえる世界を夢見て
たぶん、みんながちょっとずつ、込み上げる涙と闘っていた。
自分たちになにができるのか、なにをすべきなのか、なにが正解なのかも見えてこない。誰にも理不尽に傷ついてほしくないと願いながら、今このとき、なんの役にも立たない自分。その無力さ。
そんなことを考えて胸を痛められるほど、平和なここ。
でも、そんな世界のバランスが崩れるかもしれないという想像も、チラリと頭をよぎる。
終わり方も見えなければ、安易な解決策も見えない。陳腐な表現だけど、世界は複雑だ。真実はひとつじゃない。人の数だけある。
フェイクとか、誤りとか、本当とか、正しいとか、そういうことではなく、なにが真実かは、見ている視点によって変化する。事実は、起こったこと。でも、真実はなんだろうか。
私に今唯一できることは、「わかった」と終わらせないこと。「わからない」と諦めないこと。
「…モヤモヤしたままでいいんじゃないかな。」そんなふうにつぶやいた仲間の一言が、心にそっと残った。
考えて、考えて、悩み抜いて、溢れそうになったら深呼吸。あまいお菓子と、温かいお茶の一杯を口に運んでもいいかもしれない。だって、私たちは、今ここで生きている。
そんなときを手放さないでいられるように、取り戻せるように。
あまいお菓子とお茶の一杯を誰もが味わえる世界を夢見ながら、考え、悩み続けよう。
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