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「無駄に過ごした〜」の思い込みから抜け出すこと

3連休は何をして過ごしましたか?

「何もしなかった。。。」

という答えにポジティブなイメージを持つ人はどのくらい居るだろう?

何もしなかったことが、何もしていないのに、、、なんだか悪いことをしたかのような心持ちにさせる。そんなときに書いたnote。


静寂の中にただ居ること

子供のころは、じっと座っていなさい、それを楽しんでごらん、という教えからはじめられた。子供たちは、嗅覚を敏感にし、見るものがないところになにかを見、静寂のなかにじっとなにかを聞き取るよう教えられた。じっと座っていることのできない子供は、ちゃんと成長していない子供だ。

アメリカ先住民  ルーサー・スタンディング・ベアー首長

じっとして静かに座っていること、静寂の中に楽しみをみつけること、それはとっても基本的な生活のリズム。

ところが現代社会では、じっと座っていることが許されない。じっとしていられない大人ばかり。

今日あなたは何をしましたか?

現代の大量消費社会に生きるわたしたちにとって、活動の意義は何かを生産することであり、そこから生まれたモノやサービスを潤沢に消費できることこそがその豊かさだと多くの人は思っているかもしれません。すると、人生における価値ある活動は「生産」か「消費」のどちらかであり、それ以外の時間は無意味だ、という恐怖にも似た感覚を持つようになります。

何をして過ごしましたか?という質問に満足の行く答えを出そうとするあまり、決まって時間を何かに費やそうと努力するのです。リア充だとか、映えだといいながら、大量の写真をSNSに投稿したりするのです。

生産と消費、あとは無意味

乱暴な言い方をすれば、現代社会は24時間を生産と消費のどちらかに分類しなければならない習慣を作り上げてしまったのではないか、わたしはそんな風に感じています。

より多くの製品を製造し、それを消費(買う)するために、わたしたちはより多く働かなくてはなりません。より多くの消費を生み出すために、問題そのものを作り出し、それを解消するための新しい製品が生み出されるのです。

文明の利器はわたしたちの生活を楽にしているのだろうか?そんな漠然とした疑問を抱えながら、わたしたちの潜在意識は悲鳴をあげていないだろうか?

時間を節約するための考案物こそが、仕事量を増やす張本人だということは珍しくない。近年の研究で指摘されているように、電気のなかった1920年代の農家の妻のほうが、近代的な機器類に恵まれた二十世紀後半の郊外の妻に比べて、家事に費やす時間は少なかった。それはひとつに、ほとんどどんな技術の進歩にも、期待感の高まりが付いて回るからだ。たとえば十七世紀末、オランダに安価な窓ガラスがもたらされると、室内に積もった誇りを見て見ぬふりができなくなった。今日の掃除機をはじめとする製品は、人々の清潔さの基準をより一層引き上げた。おかげで人々は、今や撃退可能となったハウスダストやバクテリアに対抗する製品の開発促進に、ますます時間を費やさざるを得なくなっている。

ロバート・レヴィーン

生きる意味とその課題に取組むための時間は、生産と消費の果てしなく続くサイクルのなかに消えてしまってるんじゃないか。。。

待てないように設計された現代人

人間の脳は欲しいものを「すぐ」手に入れたいと願う。そのため、目の前に何かが提示されると、本当にほしいものを手放してでも目先の報酬に走ってしまう。…「10分待つ」たったこれだけのことでも、神経科学者らの発見によれば報酬に対する脳の受け止め方は大きく変わる。

ケリー・マクゴナガル

神経科学の観点からも、何もしない時間を持つことが重要だってことが指摘されるようになってきているようです。

わたしたちには、自由に生き、好きなものを食べ、好きな職業につき、好きなものを好きに欲する自由があります。いや、そう思い込んでいるだけかもしれない。

果てしない生産と消費のサイクルに身をおき、欲望のエンジンをフル稼働させられているわたしたちは果たして自由だろうか?

欲望のまま振る舞うことと、わたしたちが生来の自由に生きることが、同義であるとは思えません。

現代社会に生きる多くの人は果てしない欲望の奴隷にみえます。

りなるのプロフィール

「しない」をする。しないことを受け容れると世界はもっと広がる。

しないことをする。

しないことを生活のなかで許してあげる。すると、時間の分類が生産と消費意外の意味を持ちはじめます。

満開の桃の木の下で他愛のない会話をすること

沙羅双樹の下でただあぐらをかいていること

起き抜けの朝もやのなかに小鳥のさえずりを探すこと

そんななにもしない時間が、生活に生産と消費以外の彩りを与え、人生により豊かな至福に彩られる瞬間が生まれるのだと思うのです。

りなる



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