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無とはなにかを想起するとき

無、無、無、無。。。とはなにもないこと
でも無という言葉は 無そのものじゃない
無という言葉を発するとき
そこには "無" という何かを存在させてしまうから

無を想起している「私は何者か?」
常にそこに立ち返りなさいと禅者はいう
すると確かにそこには無から生じる
あらゆる幽玄有限の世界が立ち現れる

その世界を想起する「私は何者か?」
常にそこに立ち返る
するとやがて 有と無の交差する
原初の点が訪れる

「私は何者か?」という問いには
そのものに矛盾をはらんでもいる
問いそのものが問いを発生させる

無とは実体も時の流れも認識の空間もない
ただの点のまたそれ以前
その黒い瞬き 忘却の瞬間 あっという無音
そこに落ちる その直前の感覚だけが残る
それがわたしたちが感じることのできる
最後の無

りなる

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