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「ありがとう」の言葉

わたしは現在、学習塾で事務員として働いています。

学習塾の事務ときくと、受付にいる職員を想像するかもしれない。わたしはその中でも、授業を受け持つ先生や大学生のアルバイトさん(チューターさん)と関わる部署で、主に、試験管理を専門にしている部署です。

去年6月入社の新人の私だが、大学生のアルバイトさんにも認知されて「○○さん!」苗字で呼んでくれる学生さんがいたり、「ちょっとここ相談したいんだけど」といえば「あとは○○さんに任せるのでよろしく」と言ってくれる人も。今では、自分の受け持つ科目の学生バイトさんはほとんど名前と顔が一致するようになっている。

毎年9月以降の高校三年生の授業は、テスト形式になります。その授業で毎回、学生バイトさんの力を借りて、答案を持ち帰り、自分で添削してそれを持ってきてもらい、授業担当の先生がチェック、返却、という流れ。毎回丁寧な添削とコメントをみては頭が下がるばかりだった。

これが9月〜12月まで続く。締切をいれたら1月の頭まで続いた。

わたしはそんな中、毎回のように締切1週間(短い時は3日)で頑張ってくれる学生バイトさんにお礼をしたいと思っていた。自分がその立場だったらできる気がしないから。

何かをあげる、というのは仕事上の規則ではどうにも無理であるので、とりあえず、お手紙でもつけておこう。と、毎回添削最終日に一人一人、違うメッセージを添えて手紙をつけて答案を渡した。

例えば、その添削を最後に学生バイトを退職する子には
「いつもありがとうございました!これからも夢に向かって頑張ってください!」というメッセージ。

研究室配属で、1年くらい忙しいと言っていた子には
「研究室配属されたら実験とか研究でさらに忙しいと思いますが無理せず、また落ち着いたら声掛けてください!」って書いたり。

答案を戻しに来た時に
「カードありがとうございました!」と言ってくれる子や
「研究室、頑張ります!」って笑顔でガッツポーズして帰っていく子(このガッツポーズの子はめちゃくちゃクールで「かくにんおねがいしまーす!ありがとうございました〜またよろしくおねがいしまーす!」とすぐに立ち去る女の子だったのですが、最後はちゃんとわざわざお手紙つけてくれてありがとうございました。って挨拶してくれて礼儀正しさを感じてめちゃくちゃ好感がもてました)

なかには直接はちょっとハードルたかいのか、個人宛メールで「カードありがとうございました」や「お心のこもったお手紙ありがとうございました」と書いてくれたり、なかにはお手紙のお返事を書いて渡してくれた子もいました。

そのお返事をくれた子のお手紙には「いつもお仕事くださってありがとうございます」と書いてあって、わたしも学生時代バイトしていたけど「お仕事させていただいている」という感覚はあれど「そこに感謝ってしていたっけ?」とぎゃくに頂いたメッセージで過去の自分の振る舞いとかを考えさせられてしまいました。

こういうのを見ていたら、わたしはああ、やってて良かったーって思いました。べつに誰かに「ありがとう」って言われたくてやってる訳じゃないけど。

最近はメールやLINE、時には電話で物事を電子ツールで済ませてしまうことが多いけど、手書きの暖かさにはやはり勝てないし、それで少しでも「良かった」と思える人が増えたならそれはそれで嬉しいなぁと思うわけです。

これが私の #はたらいて笑顔になれた瞬間 です。

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