見出し画像

【北米漫画市場まとめ】スウェーデンのゲーム会社がDark Horse買収、映画『AKIRA』のBD発売、香港のコンテンツ企業が「劇場版 呪術廻戦0」の配信権獲得

北米漫画市場のニュースなどのまとめです。拾い切れていないものもあるのでぜひリクエストお待ちしております。

スウェーデンのゲーム会社、米中堅出版社のDark Horseを買収

米出版社のDark Horse Comicsをめぐり、スウェーデンのゲーム会社が買収すると発表されました。先日、別の企業による買収観測も出ていましたがこちらは正式発表です。Dark Horseの持つIPを活用した事業を進めていくという方針のようです。Dark Horseは英語版「ベルセルク」の北米での出版権含めいくつか日本の漫画の翻訳版の権利を持っているのでそれがどうなるか気になります。


映画『AKIRA』、BD版を北米で発売へ

配信会社funimationが映画『AKIRA』のBD版を発売すると発表しました。しかも4K。まだまだ人気が根強い。

北米市場で話題になっている作品でも最近は配信だけでパッケージソフトが出ていなかったり、過去に出ていても今は流通していなかったりします。改めて出るとなると、一定の需要が見込めるとみているわけで人気の高さが実感できます。


『BLEACH』新作アニメ、北米はVizMediaが配信

先週末に日本でジャンプフェスタが開催されたことで、集英社系の作品の新たな情報発表が相次ぎました。もちろんほぼリアルタイムで英語でも情報は共有されていました。その中でも話題になった一つが『BLEACH』の新作アニメ制作の発表です。

早速北米の配信権はVizMediaが獲得しました。(VizMediaはアジア圏以外の地域の権利を獲得)実際はCrunchrollやFunimationなどのプラットフォームで配信するのだとみられます。

VizMediaのツイッターアカウントもビジュアルを公開しました。


『るろうに剣心』続編アニメ制作の英語圏の反応は?

上記の記事は「なぜアニメファンは『るろうに剣心』の発表に複雑な感情を持ったのか」という内容です。『るろうに剣心』は北米圏でも人気の作品のひとつ。そのアニメの制作の発表となれば歓迎されそうですが、実際ツイッター上などの反応は歓迎と反対の両方がありました。それは原作者が過去に児童ポルノで書類送検されたことがあるから。もちろん罰金を支払い済みなわけですが、特に北米圏では児童ポルノに対する見方は厳しいのだなと実感しました。

ちょうど同じ時期に別の漫画家が児童ポルノに分類されるものを輸入したとして関税法違反で逮捕されたと伝わり、こちらについても残念だという声が出ていました。


ヤマシタトモコ先生が語る「BL」としての『さんかく窓の外側は夜』

アニメ化もされたヤマシタトモコ先生の「さんかく窓の外側は夜」。ヤマシタ先生ご自身が「これはBLです」という趣旨の発言をされているのですが、作品に込められた意図やどのようにテーマを決めたのかなどを語ったインタビューです。非常に興味深いものでした。


香港のコンテンツ会社、 「劇場版 呪術廻戦 0」のアジアの配信権を獲得


日本で公開された「劇場版 呪術廻戦 0」。海外はどうなるのか?と思っていたら、アジア圏は香港のコンテンツ会社「メディアリンク」が獲得しました。ここはすでに アニメ版の配信を中国などで手掛けているところです。

ちなみに、北米はまだどこが映画を配信するか明らかになっていません。(おそらく配信または上映はされるとは思いますが)もちろん原作の漫画は出ていますが、ファンはまだ公式には見れないことに。とすると、以下の記事のような反応になります。


Japan Foundation、少女漫画の影響に関するオンラインイベントを開催

Japan Foundationは不定期で漫画に関するオン来院ベントを開催しています。今回は「SHOJO MANGA :The Power and Influence」と題して、少女漫画の影響について研究者らが議論しました。


漫画翻訳会社、商業出版に機械翻訳を利用か?

あくまで「使ったのではないか」という噂ベースなのですが、すでに商業出版を手掛ける翻訳会社が、商業出版物に機械翻訳を使ったのではないかという話です。機械翻訳を使うことで、人力の翻訳のコストを抑える狙いがあると書かれています。

絵と文章が多くの情報を含んでいる漫画の翻訳は英語ではなくとも難しいのですが、その難しさに対して翻訳家の待遇はけして現状恵まれているとはいえずツイッター上などでたびたび議論になります。個人的にはきちんと日本語で漫画家が描いたことを適切な翻訳で出版されることは最終的にはその言語圏のファンを増やすことになると思うのですが。


漫画はいかにしてアルゼンチンでベストセラーになったか

めずらしい、アルゼンチンの漫画市場に関する記事を見つけました。アルゼンチンはスペイン語圏ですが、最近はスペイン語に翻訳された作品が出ており、ファンを獲得しているもよう。記事には書店からも販売増の期待がかかっていることが書かれていました。


追伸

菊池健さんの「マンガ業界Newsまとめ」感想

この記事を書くきっかけになった菊池健さんの「マンガ業界Newsまとめ」の先週分の感想です。

個人的には、電子書店の老舗で大手「コミックシーモア」による、新ブランド「MangaPlaza」での米国の漫画市場向けの配信サービスに期待したいです。あと韓国Webtoon大手のNAVER Webtoonによる米国の出版事業は興味深い動きです。米国は紙の本がある種ファンのコレクターズアイテムになっており、ほかの書籍に比べてファンが紙の本を買いたいという意欲が強いように見受けます。ウェブで読みたいファンはとり切ったと判断してさらにファンを囲い込む狙いではないでしょうか。


NYCで「日本文化」なら「Kinokuniya New York」ははずせない

観光サイトのNYCでの日本文化体験コースの記事です。NYCで日本文化を体験するならKinokuniya New Yorkは外せません。店舗の2階に大きな漫画の売り場があることや、カフェが併設されていておにぎりを楽しめることなどが書かれています。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?