第5回 『ワールドトリガー』で学ぶ英語

私が勝手に敬意を払っているライターの方々が、漫画の英語訳を使って英語関係の記事を描かれるのに便乗して私も『ワールドトリガー』(ワートリ)でやってみることにしました。個人的に何人かフォローしている漫画関係の日・英の翻訳者の方がいるのですが、ワートリの方はすごく英訳を工夫されている方なので読んでいて楽しいというのも理由です。(ワートリの翻訳者、Caleb Cookさんのツイッターはヒロアカの翻訳の解説も毎週面白いです)

第5回は修に代わり遊真がモールモッドに立ち向かう「Chapter 5 Yuma Kuga :PART3」

※書いている人は連載を追いかけているので全力でネタバレをしていきますのでご了承ください。


自分のトリガーを使ってボーダー本部に見つかることを恐れ、遊真は修のトリガーを借りてモールモッドと戦う戦略を選びます。修の変身のときよりも詳しく、「トリガーオン(Trigger On そのままです)」と叫んだあとにどういう過程を経て変身するかが描かれます。その過程は、現代の特撮ヒーローの変身シーンに近く、5段階で構成されます。

○トリガー起動開始  COMMENCE TRIGGER ACTIVATION

○起動者実態走査   SCAN ACTIVATOR’S BODY

○戦闘体生成     GENERATE COMBAT FORM

○実態を銭湯体へ換装 EXCHAGE PHYSICAL BODY WITH COMBAT FORM

○メイン武装展開   DEPLOY MAIN ARMOR

■activate      (…を)活動的にする、作動させる  

■commence   (…を)開始する、始める、 *Start/begin よりも形式的

■scan             (…を)つくづく見る、(…を)細かく調べる、ざっと見る

■deploy          展開する、配置する *軍隊や部隊の展開のときのも使う
 

なお、物語上では「せ まいとこだと 自由に動けるほうが有利だな(BEING SMALL HAS THE ADVANTAGE IN TIGHT SPACES)」と同じことを考えながら、それが実践できる遊真と修のこの時点での実力差を描くエピソードでもあります。

トリオンって結局何なの?

モールモッドをあっさりと倒した遊真。なぜ訓練用のトリガーで修が倒せなかったモールモッドを遊真は倒せたのか。その理由を、遊真のお目付け役(英語ではCHAPERONE。)であるレプリカが説明します。

■chaperone   介添え役、付き添う人

  ※もともとは社交界などで若い女性に付き添った人。多くは年配の婦人

修が使った時と遊真がつかったときにトリガーの性能に差が出るのは、「トリオン(TRION)」にあるとこのと。トリオンとは、原作で

トリガーの動力源である生体エネルギーだ。
トリオンは「トリオン器官」と呼ばれる見えない内臓で生み出される



と説明されます。英語版では

TRION IS A TRIGGER’S BIOLOGICAL POWER SOURCE.
TROIN IS CREATED IN AN INVISIBLE ORGAN CALLED THE TRION GLAND.


と書かれます。1文目では直訳すると「トリガーの生体的なエネルギーの源」という感じで「動力源である生体エネルギー」の部分を言い換えています。

■gland  腺(せん)=生命を保つのに必要な物質を分泌したり、不要な物を排泄(はいせつ)したりする働きをする器官

レプリカはトリオン能力に差があるため、遊真と修が同じトリガーを使っても威力に差があると説明します。このとき

トリオン能力

TRION VALUES

という訳語が充てられます。

なお、アニメ 2ndシーズンを記念して公開された特設サイト「ワールドトリガー ボーダー&近界民(ネイバー)大行進! 」のキャラクター紹介では、レプリカのポジションは「遊真の友人兼お目付け役」となっており、ファンをざわつかせました。


第5話のラストは、

三雲修の人生は この日を境に大きく動き始める

という説明で終わります。英語版では

FROM THE DAY FORWARD.....OSAMU MIKUMO’S LIFE WOULD NEVER BE THE SAME.

直訳すると「この日から先、三雲修の人生は決してそれまでと同じものではなくなった(=大きく動いた)」。かっこいい表現なので真似したいです。

FROM THE DAY FORWARD この日から先

  FORWARDはGOINGと組み合わせ「GOING FOWARD」として「この先」というのにもよくつかわれます。


今回英語訳の参考にしたのはこちらのアプリの配信です。

もちろん『ワールドトリガー』は英語版も紙・電子版の両方で出ています!!!ご興味ある方は是非。


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