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【北米漫画市場まとめ】バイアコムがワットパッドと提携、久石譲氏がNYCでコンサート開催へ


北米漫画市場のニュースなどのまとめです。拾い切れていないものもあるのでぜひリクエストお待ちしております。



バイアコムCBS、ワットパッドと提携

バイアコムCBSは米国の大手メディア。そのメディア企業が作家のためのソーシャルパブリッシングプラットフォームであるワットパッドと提携しました。ワットパッドは作家がオリジナルの作品を投稿できるサイト。すでにNETFLIXなどストリーミング配信会社がワットパッド発の作品を配信していますが、コンテンツ獲得競争にバイアコムも参戦したことになります。ワットパッドは最近、韓国の検索サイトであるネイバーが買収したことで話題になりました。

作曲家・久石譲氏、Radio City Hallでコンサート開催へ

ジブリの音楽などで知られる作曲家の久石譲氏がニューヨーク市で2022年1月にコンサートを開催します。しかも会場はあのRadio City Hall!ここはニューヨークのロックフェラー・センターにあるホールで、トニー賞の授賞式なども開催される著名なホール。3日間ですがすごい!秋から続く北米のジブリの映画上映イベントの集大成なのでしょうか?

HBO Max、クランチロール・ブランド失うことに 22年1月から

現在米国では、有料ケーブルテレビ放送局HBOのストリーミングサービス「HBO Max」内でアニメ配信会社・クランチロールが配信権を持つアニメを配信しています。「映像研に手を出すな」などもこのネットワークにのって北米で人気を集めた作品で、多くの人が目にすることで結果的に英語版の単行本の出版につながりました。

しかし契約の関係なのかこの提携関係は2021年中で終わることに。22年1月からHBO Max内ではクランチロールが配信権を持つ作品は見られなくなります。

プラットフォームでコンテンツの獲得競争は厳しい中で、各プラットフォームは自分のプラットフォームにコンテンツを囲い込む作戦を取りやすい。結果的にリーチする消費者数が減ることになる提携の解消が、コンテンツを提供する日本側にとってどのように影響するのか見えにくいところがあります。

「鬼滅の刃」全巻セット、米国で人気

先日紹介したNYTimesとは違う、NPDブックスキャンという書籍販売のPOSデータをベースにした11月の大人向けグラフィック・ノベルのランキング。「進撃の巨人」「チェンソーマン」「僕のヒーローアカデミア」とおなじみの名前が並んでいるわけですがこの中の「鬼滅の刃 コンプリート ボックス セット」が。ちょうど遊郭編の配信も始まりましたが、まだまだ鬼滅人気は続いているようです。

「竜とそばかすの姫」「映画大好きポンポさん」、オスカー賞のアニメ部門にノミネート

今年もこの時期ということで、オスカー賞のノミネート作品が発表されました。アニメ部門では細田守監督の「竜とそばかすの姫」に加え、杉谷庄吾先生の漫画原作の「映画大好きポンポさん」などがエントリー。

pixivなどグローバルのイラストフェスティバルを開催

イラストなど共有サイトのpixicとワコムが組んで、19日、世界のイラストレーターを集めるオンラインの作画フェスが開催されます。なんと参加費は無料。アーティストと一緒にオンラインでイラストを描けるイベント。中郷発アニメ「ロシャオヘイ戦記」のアニメ制作の舞台裏を聞けるプログラムもあります。

スクール・ライブラリー・ジャーナルが選ぶ2021年の漫画TOP 10位

年末が近づき、いろいろなサイトが「今年のトップ10」を選ぶ企画を発表しています。その中でアメリカの学校図書館司書&公立図書館の児童書・YA担当司書向け情報誌「スクール・ライブラリー・ジャーナル」が選んだリストが出ました。

・ボーイズ・ラン・ザ・ライオット

・安達としまむら

・怪獣No.8

・美少年探偵団

・ふしぎねこのきゅーちゃん

・映像研に手を出すな

・志乃ちゃんは自分の名前が言えない

・かげきしょうじょ!

・ロボ・サピエンス前史

・MAO

が選ばれました。「ボーイズ・ラン・ザ・ライオット」はLGBTQ+関連の流れからも注目を集めました。


ウェブトゥーン原作ドラマの人気、原作人気に還流

注目度の高まる韓国発漫画「Webtoon」。Webtoonを原作にしたドラマの人気も高まっていますが、原作への恩恵は?という疑問も出ていました。この記事では、再び原作に注目が集まっていると指摘しています。例に上がっているのはNaver Webtoon上で連載されている「Hellbound」です。ドラマがネットフリックスで放映されたあと週間の平均閲覧数が22倍になったそうです。課金額も大幅増となったとみられます。どうやら続きを先に見たいという欲求が背景にはあるようです。

韓国発Webtoon、「Manta」が急成長

韓国発Webtoonは英語圏ではNaver WebtoonとKakao Webtoonが先行しています。その中で急成長しているのが「Manta」。11月に300万ダウンロードを達成したことを伝える記事です。英語圏でWebtoonそのものが関心を集める流れの恩恵を受けたのではないでしょうか。記事では、オリジナル作品の豊富さに加え、ローカライズに成功したこと、リーズナブルなサブスクリプション価格が受け入れられたと指摘していました。


アニメコンベンションで「進撃の巨人」の展示

12月3-5日に、テキサス州で「アニメ・フロンティア」というアニメコンベンションが開催されました。その中の規格のひとつが、「進撃の巨人」のManga Gallery。当然コスプレをして写真を撮る人が。

アニメが配信されたこともあり、進撃人気の根強さを感じさせました。

実写版「カウボーイビバップ」続編の制作打ち切りか?

複数の英語圏のメディアで話題になっていたのがNETFLIX制作の実写版「カウボーイビバップ」の続編について。11月にシーズン1が始まったばかりですが、評価と視聴の伸びが芳しくないようで、続編の制作がキャンセルされたという話題。「ほかのアニメ原作の実写版の制作にも影響するのでは」という指摘もありました。


2.5次元舞台、再び海外配信へ

2021年12月10日~22年2月3日にかけて、2.5次元舞台の海外配信企画が決まりました!今年の夏に行われ、好評だったのか再び海外ファンが舞台を楽しめることに。「NARUTO」「僕のヒーローアカデミア」「セーラームーン」という演目の選択に、海外狙いが見えます。チケットは1枚15ドルでもちろん字幕もついているので、多くの人が楽しんでほしいです。

なお、英語圏とくに北米圏はこれまでエンタメをほぼ自前でまかなってきたため翻訳や字幕作品は見られないとされてきましたが、最近はアニメ配信のおかげで字幕で海外作品を楽しむ人も出てきているといわれています。

おまけ

AnimeNYC、NYでオミクロン型の拡大のきっかけに?

このところ米国系メディアを賑わしているのがAnimeNYC。といってもいい意味ではなく、11月に開催したこのアニメコンベンションの参加者から新型コロナウイルスのオミクロン型に感染した人が多く見つかったというもの。日本でもこれから年末にかけてコミケが開催されますが、感染を広げる原因にならないように祈ります。

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