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【北米漫画市場まとめ】中堅出版社が事業売却か?「東京卍リベンジャーズ」の紙の単行本の英語版北米で発売へ


北米漫画市場のニュースなどのまとめです。


中堅出版社、Dark Horse Comicsが事業売却か

https://www.animenewsnetwork.com/daily-briefs/2021-12-04/bloomberg-dark-horse-weighs-options-that-could-include-sale/.180274

初報は米経済メディア、ブルームバーグ。事情に詳しい関係者の話としてDark Horseがアドバイザーを雇い、事業売却を含む選択肢を検討していると伝えています。

米企業は事業売却の事前準備としてアドバイザー企業を採用することが多いため、事業売却かとの観測を誘っているようです。

Dark Horseはアメコミだけでなく、三浦建太郎氏の「ベルセルク」の英語版などの出版も手掛けています。もしDark Horseがどこかの企業に買収されるとなればDark Horseの持つ日本の漫画の英語版もその企業の戦略に左右されることになります。上記のニュースサイト、コミックブックはネットフリックスやウォルト・ディズニーが買い手になる可能性もありうると指摘しています。

「東京卍リベンジャーズ」の人気と、英語版紙の単行本発売へ


日本に続き、フランスでも人気が伝わっている和久井健先生の漫画「東京卍リベンジャーズ」。北米でも英語版の紙の単行本の出版が決まりました。版権を取得したのは中堅出版社のSeven Seas。講談社の漫画を中心に日本の漫画の英語版の出版を多く手掛けている企業です。(英語版のタイトルでは「卍」が消えているのですね)すでに電子書籍版では英語版が出ていますが、紙が出るということは手元にコレクションとしておきたい需要が見込めるのでしょう。

米書店、バーンズ&ノーブルではカバーイラストが違う限定版も出るようです。

Google Trendsでみたところ、アニメ化以降、グローバルで「Tokyo Revengers」の検索が増えています。

英文のメディアでもアニメの人気による漫画の販売増が指摘されています。


「となりのトトロ」、北米の映画館で上映


12/5,6,9に米国でジブリの「となりのトトロ」が映画館で上映されています。

10月からのジブリ作品の映画館上映企画の一環です。(参考サイトはこちら

北米ではなかなか映画館で長期間日本の映画が上映されるということはありません。しかし、新旧作を期間限定で上映されるイベントは頻繁に行われています。直近で一定期間中上映されたのは映画版「鬼滅の刃」。個人的には映画版「呪術廻戦」の上映がどの程度の期間になるか気になります。

Webtoon市場、拡大継続か


新規参入などで盛り上がりが続くwebtoon市場。このほど2026年までの市場規模を推定するリポートが出ました。26年まで拡大傾向は世界的に続く見通しのようです。


「鬼滅の刃」遊郭編、北米でも配信へ


12/5から日本で「遊郭編」の放送が始まり「鬼滅の刃」。北米でもほぼ同時に英語の翻訳付きで配信が始まります。

なお遊郭編の英語訳は「Entertainment District Arc」となったようです。吹き替え版の配信も待たれるところです。


「チェンソーマン」強し NYTIMESのグラフィックノベル売上ランキング


10月米NYTIMESのグラフィックノベルの売り上げランキングが出ました。

米アメコミに混ざって、2位となったのが「チェンソーマン」の7巻。日本の漫画はアニメがきっかけに人気が出ることが多い中、15位の「SPY&FAMILY」もそうですが、アニメ化前に単行本が売れるというのは最近の流れです。週刊少年ジャンプのアプリなどを通じた同時翻訳配信の戦略が奏功しているとみられます。

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