第4回 『ワールドトリガー』で学ぶ英語



私が勝手に敬意を払っているライターの方々が、漫画の英語訳を使って英語関係の記事を描かれるのに便乗して私も『ワールドトリガー』(ワートリ)でやってみることにしました。個人的に何人かフォローしている漫画関係の日・英の翻訳者の方がいるのですが、ワートリの方はすごく英訳を工夫されている方なので読んでいて楽しいというのも理由です。(ワートリの翻訳者、Caleb Cookさんのツイッターはこちら。ヒロアカの翻訳の解説も毎週面白いです)

第4回は三雲修がモールモッドに立ち向かう「Chapter4 Osamu Mikumo :PART2」

※書いている人は連載を追いかけているので全力でネタバレをしていきますのでご了承ください。


モールモッドは修20人分をどういうか

第4話にはワートリで有名な計算式「モールモッド=修20人分」(単行本1巻時点の強さベース)が登場します。

モールモッド 一匹殺すには 少なくともオサムが20人はいなきゃムリだ

英語版では

IT WOULD TAKE 20 OF YOU TO KILL ONE MARMOD.

■IT WOULD TAKE ~ TO-V  V するには~が必要

 これも頻出の表現です。このWOULDは仮定のWOULDです。

これに続く

それに勝てたとしても、20人中18人のオサムは死ぬ

は、英語版では

EVEN IF YOU WON,18 OF THOSE 20 OSAMUS WOULD DIE.

ちゃんとOSAMUが複数形になっています。そしてこの段階で遊真がカタカナでオサムといっているのがエモい。まだこの段階で遊真はオサムの名前の漢字を知らないのですよね、きっと。

そしてこの計算式に基づいて、遊真はオサムの勝率について

オサム死ぬぞ?

と、断言しつつ問いただします。

英語版では

YOU'RE GONNA DIE.

■GONNA  GOINGの短縮形。CASUALなときに使う

BE GOING TOは同じ未来を示すWILLに比べて意思を含まない「予定」を示すときに使われやすい表現です。遊真はオサムの死が確定的なものだと判断していることになります。

第4話は遊真のセリフが増えます。戦闘が始まったことでその言葉は端的なものになっていきます。

レプリカ先生とオサムの戦いをみながら

ふつうにやられてんじゃん

英語版では


HE'S GETTING PUMMELED.

PUMMEL こぶしで打つ

やられそうなオサムをみて遊真は助けに向かいますが、レプリカ先生にオサムの「トリガーを使うな」という警告を思い出させます。これに対する遊真の言葉は

おれは別にいいぞ それでも

英語版では

THAT'S FINE WITH ME. LET THEM COME.

LET THEM COME は、直訳すると「彼ら(=ボーダーの追って)に来させろ」という感じ。この前にレプリカ先生は「近界人だと知られれば追われることになる」(英語版ではONCE THEY FIND OUT YOU'RE A NEIGHBOR,THEY WILL COME AFTER YOU.)と指摘しており、これを受けた表現になります。


ワートリの世界を表す言葉

第4話では、ワートリの世界を表す言葉に加え、トリオン兵の説明が遊真の口から語られます。

前回出てきたモールモッドは

■MARMOD  TRION BATTLE SOLDIER (『戦闘用』のトリオン兵)

■BAMSTER  WHO SPECIALIZE IN CAPUTER(『捕獲用』のバムスター)

■トリオン体  TROIN BODY

などなど。

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