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#未来の図書館8 いろあわせ、かけあわせ

前回はマイクロライブラリーを紹介しました。今回はいろんないろのかけあわせです。

人のいろをつくるものって?

円広志さんの「よーいドン!」をみてると、いろんな人がまちにはいるな~と思います。パッとしない見た目でもなかなかキャラが濃い人も。
カットされた人がいたとしても、家に帰ったり趣味の場に行くとその人らしい味わいが出てくるものです。

そうした色をつくるのが創造力です。自分はこんなことができる、あれだけは誰にも負けない…皆さんも一つくらいはあるはず。
4月に滋賀県彦根市にある、その名も株式会社いろあわせの方にお話をうかがいましたが、「地域を元気にするには自分らしさ、面白さをもってる人を増やすのがいちばん!」という話で盛り上がりました。

まちで出会った「面白い人」

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ここで、最近僕自身が出会った個性的な人の話を。

地元近くの農村に、小さな図書室を自宅で営まれている方がいます。元々教師をされていて、引退後は木工アーティストとしても活動されています。

図書室には若いころから集めてこられた絵本や小説がたくさん。お茶を飲んでわいわい話しながら本が読めます。地域の中に5人ほどしかいない子どもたちの居場所にもなっているそうです。

その地区は自分たちでいろんな活動をされている方が多く、特産品の花を衣食住に使ったり、畑でとれた野菜をレシピ本にまとめて発行したり。僕と同年代の若い方から中高年まで、いろんな色を活かしてまちをつくっています。一人ひとりがまちに咲く花の種になっているんですね。

話しているだけで感じられるエネルギーのようなもの。楽しみながら何かをするのってほんとに素敵だと感じました。

想像力から創造力に

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なにかを生み出す創造力。その源泉は子どもの頃に培った想像力だと思います。

きっかけになる一番大きな切り口が絵本。人の気持ちや風通しのいい暮らし方、自分の知らない世界に出かけることもできます。

大人でも子どもでも、本を読むことでひらめいたり学んだりすることはほんとに多い。僕も疲れてきたら、お堅い本はお休みにして小説や絵本を読むようにしています。

よみきかせ、というと赤ちゃんや子ども相手のイメージがありますが、大人向けのよみきかせも十分味わいがあって面白い。普段まじめに仕事してる分、絵本を読めば考え方がほぐれて新しいアイデアも浮かんできます。

2階建ての働きかた

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いきなりですが、上下分離方式って知っていますか?自治体が駅や線路を整備し、鉄道会社が運行を担う方法のことです。
自治体にとっては地域の交通手段を維持でき、鉄道会社も新車の投入などテコ入れができる。自治体・鉄道会社がタッグを組んで魅力を育てる手段ともいえますね。

図書館でも、司書の知識をベースにしながらまちや人とかかわるスキルを育む、2階建ての働きかたが必要だと思ってます。
本を通じて人を知る、本を通じてまちを知るためには、市民参画や企画広報部署と一緒にイベントを作ったり、面白い人を紹介してもらうためにアンテナを張ることが欠かせません。

選書や展示コーナーづくり、読み聞かせの仕事とコミュニティデザインやシティプロモーションをかけ合わせる。たとえば、

・コーヒー店のマスターや美容師さんに展示コーナーを作ってもらい、本の選びかたを司書さんがレクチャーする
 →まちの中で本のソムリエが増え、図書館に来る人も増えていく!

・農業、地場産業のイベントや住民交流会を図書館でやる
 →話題の切り口として落語のまくらのような感じで絵本のよみきかせをすれば、初心者でもテーマに関心をもってもらえる!

ニーズがふえるなかで司書さんだけでは仕事が回せない側面もあります。いろんな人に図書館のなかに入ってきてもらい、一緒に仕事をつくることでサービスやイベントにより面白みがでてくると思います。

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