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余白に含まれるもの

立川談志が手塚治虫について話す番組を観た
昨日、再放送していたのをたまたま観たのだけれど

久しぶりにテレビ画面に釘付けだった
あの語りに聴き入っていた
ああいう大人は今どこにいるんだろう
居なくなってはいないはずなのに

呑みこんだことばに
あの間に
あの瞳に
一番伝えたかったことがあって
それがわたしにも分かる
ああ、これがすべてなんだと伝わる

話したことは支離滅裂だけど
これが手塚治虫に対する正しい態度だと思う
彼のことを理路整然と話す奴なんて、、

そんなことを語り部がいう意味

簡単なことばはよく拡散されよく目立ち、遠く大きく響きやすい
なぜならそのことばは軽いから
風に乗ってふわふわと胞子のように拡がっていく
次から次へと軽々拡がっていく

重たいことばたちは 両手に抱えて隣の人へしか渡せない
しかし
隣へ隣へと 大切に抱えられながら広がっていく

SNSでそう話した人は
自分のそのツイートが直ちに人々の心に刺さり拡散され
増え続けるいいねの数を、リツイートの数を
一体どんな気持ちで眺めていたのだろうか

まだ生きているだろうか

重たいことばを持つ大人は
余白で語る大人は
わたしの近くにどのくらいいるのだろう

わたしは彼らのいる場所に向かえているだろうか

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