努力・感謝・笑顔:乃木坂46 金川紗也のこと
乃木坂46 金川紗耶について、週刊文春のデート報道があり、その界隈で一定の騒ぎになっています。
私は彼女に注目していて、記事も一つ書きましたし、唯一モバイルメールという有料サービス(月額330円)に加入しているメンバーです。握手会に行ったことはありません。
これを機会に、ちょっと書いてみます。
・恋愛禁止の理由
アイドルは恋愛禁止、というのが共通認識になって、結構長い月日が経ちました。恋愛禁止を条件にして商売しているから、という人もいますが、正直あんまり腑に落ちません。私が見ている乃木坂46も、公式に恋愛禁止を謳ってはいないはずです。
せいぜい、間接的な表現がされている程度。それなのに、絶対的なルールであることが自明であるかのように語る人が多数いるのは、何とも不思議なことです。
スキャンダル関係に固執するのは、アイドルオタク独特の価値観だと思います。
本当に気色悪い意見として、
「ファンはアイドルと疑似恋愛してるんだから、駄目」
「ファンはお金を使って握手会に行ってるんだから、駄目」
というものを目にする機会があります。
特定のキャバ嬢に入れ上げてキャバクラに通って、かなりのお金をつぎ込んだ男が、そのキャバ嬢に彼氏がいると知って逆上し、ストーカー行為をしたり、SNSでキャバ嬢の個人情報をぶちまけたりしたら、普通どう思うでしょうか。
「接待で愛想よくしてただけなのに、勘違いしてんじゃねえよ」
と思うのではないでしょうか。
私には、アイドルの恋愛が発覚した時に逆上している連中の言い分と、キャバ嬢に入れ上げた男の主張との違いが、分からないのです。
そのため私は、アイドルが恋愛をしていようが、倫理的に悪いことだとは全く思いません。そのことは、欅坂46についての記事でも書きました。
ただ、私がどう思おうが、恋愛禁止を本気で信じ込んでいる連中が騒ぎ、その周囲で面白がって騒ぐ連中がいる以上、デート等の報道が出ることは、余計な騒ぎを巻き起こすことは間違いありません。
私と似たような考えを持った人がそれなりにいようが、世間一般の考え方をある日突然変えることは出来ない以上、現実としてはそれを見据えて行動して行くしかない、とは思います。
要するに私は、金川の今回の行動と報道を、倫理的には全く問題ないけれども、仕事に悪影響を与えてしまうミスだった、と捉えています。
・金川への批判について
今回の件は、選抜入りを切望していたはずの彼女自身の将来に対してもさることながら、グループ全体に対するダメージも懸念されます。
そのため、
「二期生、一期生ライブの直前なのに、変なことで話題にされて迷惑だ」
「せっかく四期生がたくさん仕事をもらって、期別曲で歌番組に出られるくらいになったのに、足を引っ張ってくれるな」
「自分も色々と外仕事が決まっているのに、穴を明けて外部に迷惑が掛かったらグループの信用が落ちるだろ」
という趣旨の意見は、ある程度理解できるものです。
本来、二期生ライブ、一期生ライブの話題や、四期生単独でのCDTVライブライブ出演等の話題が出るべきところを、金川のスキャンダル報道一色になってしまったとしたら、甚大な悪影響です。
現実にはそうならなかったとは言え、そうした懸念に基づく批判を吐露するのは、ある程度仕方ありません。
また、恋愛はルール違反と考え、金川のファン、乃木坂46のファンをやめる人に対しても、私の価値観や考えを強制は出来ません。
ですが、批判するのにどんな言葉を使っても良いわけではなく、増して延々と罵倒や揶揄を繰り返すことは、到底正当化されないと考えます。
そもそも恋愛禁止のルール自体が非常に曖昧である上、メンバー内の信頼関係や人間関係については、外部の人間が訳知り顔に断罪するべきこととは思えません。メンバー間に致命的な亀裂が生じているとも思えません。
・グループのイメージダウン?
グループのイメージダウンという面についても、私は楽観視しています。
アイドルオタク界隈のTwitterでは罵倒が多く見られますし、2ちゃんねる等では大騒ぎになっていると思いますが、所詮はコップの中の嵐です。
『グループのイメージを傷つけるような炎上』とは、アンジャッシュ渡部やベッキーのように、多数のメディアで連日報じられ、公式Twitterには人力では削除し切れないほどの誹謗中傷コメントが溢れる状態、のことでしょう。アイドルグループで言えば、NGT48の暴行未遂事件関連の時のような状態、のことです。
たとえばYahooニュースを見ると、金川の謝罪やCDTVへの出演に関するニュースは、数社程度。コメントは多少多めですが、どんどん埋没して行っています。
逆に、一期生ライブ、二期生ライブに関する記事は、代わり映えのしない内容が十社程度のメディア、サイトで報じられています。これは、各メディアが金川の言い分を信じた、のではもちろんなく、世間的には無名の金川のデート写真程度ではニュースバリューが無い、と判断されたのでしょう。
何にせよ結果としては、炎上状態とまでは言えません。
何故炎上にまで至らないかと言えば、世間一般の『正義感』を刺激していないからでしょう。アカウントを切り替えつつ執拗に書き込みを繰り返すのは、面倒なことです。
わざわざそれをしようとする動機は、
①炎上させて楽しみたい
②正義にもとる者を罰したい
という2種類が考えられます。
ネット掲示板の炎上程度なら①だけで十分ですが、世間一般レベルの炎上に至るには、②の動機に駆られる人がそれなりの人数必要です。しかし現状は、そこまでは至っていません。
その理由は、私自身がアイドルファンではない時期が長かった経験からの推測ですが、世間はアイドルの恋愛禁止を、破ることが許されない、社会正義として実現されるべき重要なルールだとは捉えていないと思います。
何が正義感を刺激するのかと言えば、法律違反(暴行、傷害、飲酒運転等)、不当な儲け(脱税や生活保護不正受給も含む)、記者会見での虚偽発言、不倫、等のようです。そしてもちろん、当人のネームバリューの問題も大きいでしょう。
結局、それに該当せず、しかもネームバリューもない金川のニュースで騒ぐのはアイドルオタク界隈だけで、世間は
「ああ、またか」
「・・・誰?」
レベルで、ほぼ無反応ということになります。
現に、乃木坂46史上最大のスキャンダル報道だと思われる松村沙友里の件は、当時アイドルファンではなかった私は全く知らず、後に映画『悲しみの忘れ方』で知りました。
もちろん、もっと深い関係であることを示す写真報道があれば、世間一般にも炎上が広がる可能性は高くなりますが、報道を拙速に否定して更にそれをひっくり返されたベッキーの教訓は、まだ記憶に新しいです。そのことは十分に認識した上で、経緯を調べて、今回の対応を決めたのでしょう。
金川も、この場を切り抜けるために嘘をつくほど愚かではないと思います。と言うか、思いたいです。
・報道後の対応について
今回、活動停止期間もなく、ブログでの謝罪後すぐに公の場(二期生ライブの堀の見送り)に出たのは、随分と速く動いた、という印象はあります。軽く調べた範囲では、乃木坂46ではそれが標準的な対応のようです。
世間一般での炎上には至らずとも、ファンの中ではある程度の騒ぎにはなっています。当然、どう対応するべきかは色々と考えたでしょう。
ただ実際問題、どのような対応をしようと、批判すること自体が目的ならば、口実などいくらでも作り出せます。
番組に出さなければ、「逃げた!」と言われ、
出しても、「どのツラ下げて!」「謹慎させろ!」と言われ、
笑顔を見せれば、「反省してない!」 と言われ、
苦し気にしていれば、「そんな顔するなら出て来るな!」と言われます。
スルーすれば、「ちゃんと謝罪しろ!」と言われ、
謝罪すれば、「本当に誤解なら謝罪する必要ないだろ」などと混ぜっ返されます。
ブログで謝罪しても、「直接説明しろ!」と言われ、
ラジオで直接話しても、「納得出来ない!」「泣けばいいと思ってるのか!」と言われます。
謹慎させたところで、復帰する時には必ず、「まだ早い!」「まだ繋がってる!」と言われ、
辞めさせたとしても、「他にもいる!」「繋がりを解明しろ!」などといつまでも文句を言い続け、誹謗中傷を続けることは明らかです。
そもそもネット掲示板は、とうの昔から乃木坂46に対する誹謗中傷で溢れ返っており、気にしていられません。私は、胸糞悪くなるのでその類のサイトはすぐに見なくなりましたし、今回の件でも見ないようにしていますが...
もちろんYahooニュースのコメントには例によって、「厳しく罰するのが本人、グループのため」などと訳知り顔のコメントが並びますが、そんなのはいつものこと。そもそもこうした連中は、ファンですらないでしょう。
Twitterでも罵声を浴びせる者はいますが、それも程度の差こそあれ、ネット掲示板やYahooニュースと同じことです。文章と肉声で謝罪をしても許さない、と言い募るのは、そもそもファンである人間の取り得る態度とは思えず、クレーマーと断じざるを得ません。
そのような、文句を言うこと自体が目的化している連中が何を騒ごうと、それを『ファンの意見』として受け止める必要があるでしょうか。簡単には判断出来ませんが、基本的には、ないと思います。
そのため私は、そもそも悪いことをしていないし、グループに対する悪影響も小さいことから、金川に謹慎や活動停止が必要だとは思いません。
公の場に出る前にブログの文章で逸早く謝罪したことは、優れた対応だったと思います(続報が出なかった場合に限りますが)。
本来はそれで十分で、自身の出るラジオ番組『イマリアル』で涙ながらに謝罪したことは、そこまでする必要はなかったのではないか、とは思いつつも、事態を沈静化させる効果はあったと思います。
・運営の思惑について
ただ、金川への風当たりが強くなろうと外仕事に穴は明けたくない、という運営の冷徹な判断は、間違いなくあったと思います。
『Ray』のモデルも、『芸人動画チューズデー』のアシスタントも、四期生の先陣を切って来た大事な仕事。グループ側の都合でヒョイと誰かに変えるのは、世間では大して重視もされていない『恋愛禁止ルール』への抵触などよりもずっと、対外的な信用に関わります。
続報となり得るような事実が本当にないなら、このまま仕事を続けさせた方がグループに与えるダメージが少ない。金川が針の筵で苦しんだとしても、やらせる。そうした判断は、十分に有り得ます。
ただそれに加えて、これまた推測ですが、金川自身の負けず嫌いな性格が出て、批判や逆風に負けたくなかったから活動継続を選んだ、という面もあると思います。本人がどうしても辞めたい、休みたいと言ったら、それを止めることは出来なかったでしょう。
批判に首を垂れずに跳ね返そうとするそうした姿勢は、アンチを刺激するものであり、炎上好きを喜ばせるものであり、決して楽な道ではありません。むしろ、嫌なことを言われ続ける日々の始まりを意味します。
私の目には、金川は人に譲ってばかりで、本人の言う負けず嫌いには到底見えず、本当にそれに耐えられるのかは正直心許ないですが、ファン全員に見離されたかと言うと、そうでもないように思います。
・ファンの動向は?
定量的な評価は出来ませんが、乃木坂46や、謝罪したラジオ番組である『イマリアル』の公式Twitterに対するコメントには、励ましのそれも多数あります。もちろん全てではないですし、酷いものは消されているかも知れませんが、少なくともコメントの数としては、励ましのものが多いように思います。
また、ブログの謝罪記事に対するコメントは、そもそもコメントが承認制なので励ましのコメントがほとんどなのは当然だとしても、数千ものコメントが寄せられる状況は、非難一色とは到底言えません。
複数回書き込んでいる人も当然いるわけですが、投稿後30分で1,000以上のコメントが寄せられており、かなりの人数が励ましのコメントを寄せていることが分かります。
もちろん、黙ってファンをやめた人はたくさんいるのでしょう。それでも、金川を応援するファンは、まだまだいると思います。もちろん、選抜入りはかなり苦しくなったと言わざるを得ず、茨の道ではあるのですが、私はささやかながらも、応援を続けます。
恋愛禁止については、また稿を改めて書きたいと思います。
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