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乃木坂46四期生よ、永遠なれ②:早川聖来

 早川聖来さんの卒業と芸能界引退の発表は、衝撃的でした。直近の様々な出来事から、卒業を懸念する声はもちろん耳にはしていましたが、私としては、そんなことはないだろう、と楽観視していたからです。
 四期生の中で、人気的にも役割的にも間違いなく大きなものがあった早川さん。率直に言って、ちょっとしたことのズレが大きな破綻に繋がってしまった、という気持ちが拭い切れません。
 とは言え、本当の事情など私には分かりませんし、憶測を書き連ねても彼女の旅立ちの雑音になるだけ。私なりの餞の言葉を連ねてみます。

・加入から

 加入当初は、大人気メンバーとまでは言えなかった早川さん。当時から十分に綺麗だったとは思いますが、現在の美人っぷりからしたら、まだまだ垢抜けていなかったというのも正直なところ。
 そんな彼女の名を最初に成さしめたのは『三人のプリンシパル』だったと思いますが、私自身が認識したのは、『セーラームーンミュージカル』(2019)。スタイル抜群な上に歌が非常に上手くて、びっくりしました。
 やがて『ノギザカスキッツ』での活躍を基盤として人気を伸ばし、四期生曲『Out of the BLUE』のセンターを務めた後、27枚目で選抜入り。常に二次、三次で全完売を続けており、26枚目で入っていても全くおかしくない人気ぶりでした。

・万能メンバーとして

 ラジオでの話の達者ぶり、上記のスキッツに加えて、『乃木坂工事中』でも内輪受けモノマネ等で活躍は顕著。外仕事でも、私が実際に見た『スマホを落としただけなのに』の終盤の演技は圧巻でした。
 トークも良い、バラエティも良い、演技も良い、歌も上手い、ダンスも上手い。四期生一の万能メンバー、というのが私の印象で、そうした評価をしていた人も多いだろうと思います。

 しかし、その高い評価と本人の意志の強さや真面目さが、結果的に仇となった感があるのは否めません。
 2022年2月に星野さんが卒業してから、毎週出演となった『らじらーサンデー!』。
 2022年5月には日産スタジアムでのバースデーライブ。
 そして2022年6月には、東宝ミュージカル『CROSS ROAD ~悪魔のヴァイオリニスト パガニーニ~』への出演。2021年末に卒業した生田さんの後釜、とまでは言えなくても、それに近い期待は受けていたことでしょう。

 人気メンバーとして積み重なる一方のこれらの仕事を、早川さんはただただ受け止め、こなし続けました。「なんでもやらなければ、誰かに抜かされてしまう」という恐怖心もあったのではないでしょうか。

 これらが重なったことによる、疲労の蓄積と重圧による疲弊。それが、6/24の開演着前の出演キャンセル、公演中止という結果に繋がった。そう考えるのが妥当でしょう。

・復帰してから

 今になって振り返ってみると、その後の復帰から衝撃的な卒業発表まで、早川さんの心にはずっと、この日に出来た傷が残っていたような印象を受けます。
 特に復帰直後頃の笑顔は、どこか硬く感じられる時も多かったです。

 ただその硬さも、徐々にほぐれて来ていたようにも見えましたし、仕事の面でも順調にフル稼働に近づいているように見えました。
 舞台への復帰はまだでしたが、舞台挿入用の映像出演だったり、ANNでのラジオドラマだったりで、少しずつ演技の道へ戻るようにも見えていた早川さん。
 バスラ四期ライブでは涙ぐんで、
「もうお客さんの前に立つことは出来ないかと思った」
 と言いながらも、終盤の『Out of the BLUE』では青く染まった会場に喜びを露にしていた早川さん。
 2月には四期生では4人目のインスタグラムを開設し、まだまだ活動して行くようにも見えました。

 だからこそ私は、卒業なんてずっと先の話だ、と楽観視していたのです。それが思いがけず、突然訪れてしまいました。しかも、女優としての今後すらも目指さない、という形で。
 本人の精神的負担など何も分からない一般人の分際ではありますが、演技はまだまだ見たかった、というのが本音です。

・卒業へ

 早川さんは、私の推しである金川さんとシンメトリーになることも多かったです。かのMステの時の支えには感謝していますし、たくさんの恩を、勝手に感じていました。
 単推しであるため、金川さん以外のグッズやトークの購入はしない、と決めていたのですが、例のらじらーでの発言後、夏のツアーのグッズはいくつか早川さんのものを買いましたし、トークの購読も始めました。そうした支持があれば立場を悪くすることは無いだろう、と思ったのですが、その頃には卒業を決めていたのでしょう、残念ながらあまり意味の無いこととなってしまいました。
 それでも、重圧から解放されて柔らかくなった(ように見える)表情がたくさん見られて、良かったと思っています。

 私は、彼女の卒業セレモニーの様子を直接見ることは出来ませんでしたが、Twitterで得られた限りの情報でも、今後の幸せを祈る言葉がたくさん送られていたことが分かります。

 特に、卒業セレモニーで矢久保さんが伝えたという、
「これからは自分のために生きるんだよ」
 という言葉。この言葉を出せる矢久保さんも素晴らしいですが、早川さんの人柄の素晴らしさも同時に表しています。
 ツアーが終わればセレモニーの様子も配信されるはずなので、楽しみに待ちたいと思います。

・最後に

 お兄さんの勧めでオーディションを受けて加入した乃木坂46。大人数アイドルグループであれば当然とされることも、あなたの中では全く『当然』ではないことが、きっとたくさんあったと思います。意味不明な競争を強いられているとも思えていたことは、ブログからも推察出来ます。

 本当のところは分かりませんが、卒業と引退の決断は、アイドルや芸能人として「消費し尽くされる」ことを拒否した、ようにも見えます。
 仮にそうだったとしても、あなたを応援していた人達は、悲しんだり寂しがったりこそすれど、非難することは決して無いと断言出来ます。非難する者がいたとしたら、そいつはあなたを応援していたのではなく、自分の勝手な欲望を投影していただけなので、放っておけば良いです。
 より良き人生を願うのは、応援する者として当然なこと。あなたを推していた、とまでは言えない私ですが、グループのファンの端くれとして、今後のあなたの幸せを心から願っています。

 同期をはじめとしたメンバーのたくさんの支えになってくれて、ありがとう。乃木坂時代を振り返る時はきっと笑顔、という言葉が掛け値なしの真実であることを、願ってやみません。そして願わくば、また、いつか。
 卒業、おめでとう。

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